医学部4年生の臨床実習前, 5年生臨床実習中, 6年生卒業試験の成績および医師国家試験の合否に関する検討

医学部4年生の基本的臨床技能実習時に実施するOSCEと筆記試験, 5年生の臨床実習終了時に実施するOSCEと筆記試験, 6年生に実施する卒業試験を各1年ごとすべて受験した96名の医学部学生を対象に各学年次の成績に関する解析を行い, 卒業できた6年生と留年した学生間, および医師国家試験合格者と不合格者間の各年次における試験の合計点の平均値の比較検討, 卒業と国家試験への各学年試験成績の関連性の検討も行った. 各学年次試験成績は各学年間で有意な正の相関を示した. 卒業できた6年生と卒業できなかった学生間の各学年次試験成績の平均値は卒業生の方が卒業できなかった学生群に比較して有意に高い点数であった...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医学教育 Vol. 35; no. 5; pp. 303 - 308
Main Authors 淡河, 善雄, 犬塚, 裕樹, 鳥村, 拓司, 上野, 隆登, 香野, 修介, 安陪, 等思, 松尾, 和彦, 高城, 喜典, 林, 明宏, 堀田, まり子, 渡邊, 誠之, 赤木, 禎治, 吉田, 一郎, 宮崎, 洋, 佐田, 通夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医学教育学会 2004
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0386-9644
2185-0453
DOI10.11307/mededjapan1970.35.303

Cover

Loading…
More Information
Summary:医学部4年生の基本的臨床技能実習時に実施するOSCEと筆記試験, 5年生の臨床実習終了時に実施するOSCEと筆記試験, 6年生に実施する卒業試験を各1年ごとすべて受験した96名の医学部学生を対象に各学年次の成績に関する解析を行い, 卒業できた6年生と留年した学生間, および医師国家試験合格者と不合格者間の各年次における試験の合計点の平均値の比較検討, 卒業と国家試験への各学年試験成績の関連性の検討も行った. 各学年次試験成績は各学年間で有意な正の相関を示した. 卒業できた6年生と卒業できなかった学生間の各学年次試験成績の平均値は卒業生の方が卒業できなかった学生群に比較して有意に高い点数であった. また, 国家試験合格者群と不合格者群との各学年次試験成績の比較では, 各年次共に国家試験合格者群の方が高い点数であり, 6年次成績では有意差が見られた. これらの結果より, 医学部4年生に実施する基本的臨床技能実習と5年生の臨床実習が6年生の卒業試験成績に繋がり, ひいてはその成績が医師国家試験の結果に影響を及ぼすことが示唆された.
ISSN:0386-9644
2185-0453
DOI:10.11307/mededjapan1970.35.303