多発性特発性歯頸部歯根吸収の一症例

1930年にMuellerらによって初めて報告された多発性特発性歯頸部歯根吸収(Multiple Idiopathic Resorption, MIRRと略す)は, 多数歯にわたる歯根のび漫性外部吸収を呈する極めて稀な疾患で, これまでの報告数は国内外含めて15編のみである(J Am Dent Assoc 1930;17:326-334など). 今回我々は, X線検査により偶然発見された歯頸部歯根吸収型のMIRRの1症例を経験したので, その写真を供覧する. 患者は49歳, 女性で, 平成8年9月頃, 食事中に固いものを咬んだ際4に異音と動揺が生じたが放置していた. 平成9年9月, 4の動揺と...

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Published in歯科放射線 Vol. 39; no. 4; pp. 230 - 231
Main Authors 佐藤, しづ子, 栗原, 直之, 岩松, 洋子, 丸茂, 町子, 奥田, 禮一, 笹野, 高嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 2000
日本歯科放射線学会
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Summary:1930年にMuellerらによって初めて報告された多発性特発性歯頸部歯根吸収(Multiple Idiopathic Resorption, MIRRと略す)は, 多数歯にわたる歯根のび漫性外部吸収を呈する極めて稀な疾患で, これまでの報告数は国内外含めて15編のみである(J Am Dent Assoc 1930;17:326-334など). 今回我々は, X線検査により偶然発見された歯頸部歯根吸収型のMIRRの1症例を経験したので, その写真を供覧する. 患者は49歳, 女性で, 平成8年9月頃, 食事中に固いものを咬んだ際4に異音と動揺が生じたが放置していた. 平成9年9月, 4の動揺と咀嚼障害を主訴に開業歯科医院を受診し, 4抜歯処置を受けた. その際, X線検査により多数歯にわたる歯根吸収の指摘を受け, 本院での精査を勧められて平成9年11月5日紹介にて来院した. 既往歴;平成8年5月から平成9年5月に胸水症にて入院し, 手術およびプレドニン療法を受け, 現在は経過良好である.
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology1960.39.230