迫田論文に対するEditorial Comment 急性心筋梗塞症例に画像診断の進歩が寄与するものは?

急性心筋梗塞は, 循環器内科医にとって日常臨床で, よく遭遇する疾患である. その原因の多くは, 冠動脈内不安定プラークの破綻と, 引き続き生じる血栓形成である. 少ないながらも, 冠攣縮, 自然冠動脈解離, 冠動脈瘤など, それ以外の冠動脈内の原因や大動脈解離などの冠動脈外の原因が存在する. 冠動脈外の原因による急性心筋梗塞は, 通常の再灌流療法に加えて外科的治療法を必要とすることがあり, 常に原因疾患として鑑別される必要がある. バルサルバ洞動脈瘤は, 胸痛, 心不全症状を契機に診断されることが多い. 臨床医は救急外来においてバルサルバ洞動脈瘤の診断を求められる. 迫田論文では, 冠動脈造...

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Published in心臓 Vol. 45; no. 4; p. 482
Main Author 七里, 守
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.04.2013
日本心臓財団・日本循環器学会
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.45.482

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Summary:急性心筋梗塞は, 循環器内科医にとって日常臨床で, よく遭遇する疾患である. その原因の多くは, 冠動脈内不安定プラークの破綻と, 引き続き生じる血栓形成である. 少ないながらも, 冠攣縮, 自然冠動脈解離, 冠動脈瘤など, それ以外の冠動脈内の原因や大動脈解離などの冠動脈外の原因が存在する. 冠動脈外の原因による急性心筋梗塞は, 通常の再灌流療法に加えて外科的治療法を必要とすることがあり, 常に原因疾患として鑑別される必要がある. バルサルバ洞動脈瘤は, 胸痛, 心不全症状を契機に診断されることが多い. 臨床医は救急外来においてバルサルバ洞動脈瘤の診断を求められる. 迫田論文では, 冠動脈造影時にバルサルバ洞動脈瘤解離が疑われ, 最終的にCTにより診断された.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.482