バルーン肺動脈形成術後の急性肺血栓塞栓症に対して抗凝固療法の変更が有効であった慢性血栓塞栓性肺高血圧症の1例

「はじめに」急性肺血栓塞栓症(acute pulmonary thromboembolism;APTE)は新鮮血栓が塞栓子として肺動脈を閉塞する疾患であり, 呼吸循環管理および血栓溶解, 血栓再発予防の治療が行われる. 抗凝固療法として直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant;DOAC)は安全性・有効性ともに大規模臨床試験で示されており, 現在では広く使用されている. 慢性血栓塞栓性疾患(chronic thromboembolic disease;CTED)は器質化血栓により肺動脈が狭窄・閉塞する疾患であり, 肺循環動態の異常が6カ月以上にわたって固定してい...

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Published in心臓 Vol. 55; no. 7; pp. 743 - 748
Main Authors 梅井, 智彦, 岸野, 喜一, 川上, 崇史, 平出, 貴裕, 白石, 泰之, 猪原, 拓, 湯浅, 慎介, 福田, 恵一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.07.2023
日本心臓財団・日本循環器学会
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Summary:「はじめに」急性肺血栓塞栓症(acute pulmonary thromboembolism;APTE)は新鮮血栓が塞栓子として肺動脈を閉塞する疾患であり, 呼吸循環管理および血栓溶解, 血栓再発予防の治療が行われる. 抗凝固療法として直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant;DOAC)は安全性・有効性ともに大規模臨床試験で示されており, 現在では広く使用されている. 慢性血栓塞栓性疾患(chronic thromboembolic disease;CTED)は器質化血栓により肺動脈が狭窄・閉塞する疾患であり, 肺循環動態の異常が6カ月以上にわたって固定している病態である. CTEDの中で, 平均肺動脈圧25mmHg以上の肺高血圧症を合併する病態は慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension;CTEPH)と定義される.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.55.743