下鼻甲介粘膜下経由上顎洞篩骨洞手術 仮称鼻涙管下鼻甲介スウィング法

我々は上顎洞, 篩骨洞の削開を容易にし, かつ中鼻道を大きく開放し術後の観察処置を容易とする, 新しいアプローチの鼻内手術を考案した. 下鼻甲介粘膜下切除術に準じた切開により下鼻甲介骨を摘除し, 骨部鼻涙管を一部除去し, 鼻涙管を骨部より離し, 鼻涙管と下鼻甲介を一塊として左右にスウイングさせ, 明視下に膜様部の処理を行い, 上顎洞, 篩骨洞へと術野をすすめる新しいアプローチの鼻内手術である. この方法により従来より死角であった鼻涙管周囲の郭清も十分に行われ, 膜様部を大きく切除でき, 篩骨洞, 上顎洞の郭清も十分行うことができる. 本術式のほとんどの操作は直視硬性内視鏡下に, 局所の所見を確...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 11; pp. 1902 - 1906,2013
Main Authors 蔦, 佳明, 村田, 清高, 南谷, 肇子, 太田, 文彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.11.1993
日本耳鼻咽喉科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.96.1902

Cover

More Information
Summary:我々は上顎洞, 篩骨洞の削開を容易にし, かつ中鼻道を大きく開放し術後の観察処置を容易とする, 新しいアプローチの鼻内手術を考案した. 下鼻甲介粘膜下切除術に準じた切開により下鼻甲介骨を摘除し, 骨部鼻涙管を一部除去し, 鼻涙管を骨部より離し, 鼻涙管と下鼻甲介を一塊として左右にスウイングさせ, 明視下に膜様部の処理を行い, 上顎洞, 篩骨洞へと術野をすすめる新しいアプローチの鼻内手術である. この方法により従来より死角であった鼻涙管周囲の郭清も十分に行われ, 膜様部を大きく切除でき, 篩骨洞, 上顎洞の郭清も十分行うことができる. 本術式のほとんどの操作は直視硬性内視鏡下に, 局所の所見を確認しつつモニターを見ながら手術を行うことで, 確実で安全な手術となる.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.96.1902