人獣共通感染症とベクターサーベイランスシステムの国際比較検討

目的 我が国と関係が深い国々で,検疫所や保健環境衛生部局が実施している人獣共通感染症とベクターサーベイランスが,どの疾患に対して,どのように実施されているかを,日本の現状と比較する。 方法 我が国との交流が頻繁な10か国について,質問票の郵送とサーベイランス担当部局への直接訪問により,サーベイランスの対象疾患,対象ベクター,実施期間や範囲,実施態勢,情報還元の方法などについて調査した。 結果 8 か国からの回答では,すべての国が人獣共通感染症とベタターサーベイランスを行っていた。対象疾患は国際保健規則に則ったもの,各国の疾病対策上より必要と考えられる感染症を優先的に実施していた。サーベイランス...

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Published in日本公衆衛生雑誌 Vol. 50; no. 2; pp. 130 - 135
Main Authors 内田, 幸憲, 高橋, 央, 田中, 毅, 加來, 浩器
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本公衆衛生学会 2003
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ISSN0546-1766
2187-8986
DOI10.11236/jph.50.2_130

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Summary:目的 我が国と関係が深い国々で,検疫所や保健環境衛生部局が実施している人獣共通感染症とベクターサーベイランスが,どの疾患に対して,どのように実施されているかを,日本の現状と比較する。 方法 我が国との交流が頻繁な10か国について,質問票の郵送とサーベイランス担当部局への直接訪問により,サーベイランスの対象疾患,対象ベクター,実施期間や範囲,実施態勢,情報還元の方法などについて調査した。 結果 8 か国からの回答では,すべての国が人獣共通感染症とベタターサーベイランスを行っていた。対象疾患は国際保健規則に則ったもの,各国の疾病対策上より必要と考えられる感染症を優先的に実施していた。サーベイランスの実施態勢は,ベクター個体数の定期集計,期間限定のべタターからの病原体検索,問題発生時の集中的な病原体検索に分けられた。 結論 本調査を通じて,人獣共通感染症とベクターサーベイランスの重要性,および対象疾患や運用方法の詳細の違いが分かった。この結果を日本のより有用で効率的なサーベイランスシステム作りに利用していくべきである。
ISSN:0546-1766
2187-8986
DOI:10.11236/jph.50.2_130