胸骨正中切開後の慢性胸骨骨髄炎における画像診断(MRIの有用性)

胸骨骨髄炎の治療ではデブリドマンが重要であり,術前に壊死・感染組織の範囲を把握しておかなければならない。慢性骨髄炎に対する画像診断手段としてMRIが有用であることは知られているが,胸骨骨髄炎の治癒過程におけるMR画像の経時的変化を詳細に述べた報告はない。われわれの経験した2例の胸骨正中切開後の慢性胸骨骨髄炎患者のMR画像につき詳細を述べる。骨髄炎では,骨髄内の組織液量の増加によりT1強調像で低信号,STIR像で高信号を示す。しかし,欠損部位が肉芽に置き換わり,炎症が鎮静化すると病変部のMRI信号は低下した。また,腐骨となった場合にはMRIのみでの診断はむずかしく,撮影条件の工夫やCTの併用が必...

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Published in創傷 Vol. 5; no. 3; pp. 108 - 117
Main Authors 安田, 浩, 長田, 周治, 青木, 隆敏, 寺師, 浩人, 神島, 保, 藤井, 美樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本創傷外科学会 2014
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ISSN1884-880X
DOI10.11310/jsswc.5.108

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Summary:胸骨骨髄炎の治療ではデブリドマンが重要であり,術前に壊死・感染組織の範囲を把握しておかなければならない。慢性骨髄炎に対する画像診断手段としてMRIが有用であることは知られているが,胸骨骨髄炎の治癒過程におけるMR画像の経時的変化を詳細に述べた報告はない。われわれの経験した2例の胸骨正中切開後の慢性胸骨骨髄炎患者のMR画像につき詳細を述べる。骨髄炎では,骨髄内の組織液量の増加によりT1強調像で低信号,STIR像で高信号を示す。しかし,欠損部位が肉芽に置き換わり,炎症が鎮静化すると病変部のMRI信号は低下した。また,腐骨となった場合にはMRIのみでの診断はむずかしく,撮影条件の工夫やCTの併用が必要と考えられた。
ISSN:1884-880X
DOI:10.11310/jsswc.5.108