新型コロナウイルス感染症蔓延前後における,高齢者歯科受診患者の舌口唇運動機能の比較

目的:新型コロナウイルス感染症の蔓延により,自粛生活が強いられ,対人間でのコミュニケーション能力が低下している。そこで,当科を受診した新型コロナウイルス感染症蔓延前後の患者群に,舌口唇運動機能(滑舌)の差があったかの調査を行った。 対象と方法:対象の2群は「新型コロナウイルス感染症蔓延前:2019年4月1日~2020年3月31日146名」と「新型コロナウイルス感染症蔓延後:2020年7月1日~2021年8月31日50名」であり,性別,パタカ10回法による舌口唇運動機能の評価を集計した。 結果:性差については認められなかったが,新型コロナウイルス感染症蔓延後には有意にパタカ10回法の値が大きく,...

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Published in老年歯科医学 Vol. 36; no. 4; pp. 322 - 325
Main Authors 佐藤, 裕二, 古屋, 純一, 内田, 淑喜, 畑中, 幸子, 七田, 俊晴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年歯科医学会 31.03.2022
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ISSN0914-3866
1884-7323
DOI10.11259/jsg.36.4_322

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Summary:目的:新型コロナウイルス感染症の蔓延により,自粛生活が強いられ,対人間でのコミュニケーション能力が低下している。そこで,当科を受診した新型コロナウイルス感染症蔓延前後の患者群に,舌口唇運動機能(滑舌)の差があったかの調査を行った。 対象と方法:対象の2群は「新型コロナウイルス感染症蔓延前:2019年4月1日~2020年3月31日146名」と「新型コロナウイルス感染症蔓延後:2020年7月1日~2021年8月31日50名」であり,性別,パタカ10回法による舌口唇運動機能の評価を集計した。 結果:性差については認められなかったが,新型コロナウイルス感染症蔓延後には有意にパタカ10回法の値が大きく,80歳未満では差がないものの,80歳以上ではコロナ前とコロナ後のパタカ10回法の結果は,5.1±1.1(秒)と5.9±1.3(秒)であり,0.8秒程度大きいことが示された。 結論:80歳以上の高齢者において,新型コロナウイルス感染症蔓延後の患者群では,蔓延前の患者群と比較して,パタカ10回法で評価される舌口唇運動機能が低下している可能性が示された。
ISSN:0914-3866
1884-7323
DOI:10.11259/jsg.36.4_322