関節リウマチ患者に対するTNF阻害薬の10年を超える治療継続率の比較
目的:日本では2003年にインフリキシマブ(IFX)が,2005年にエタネルセプト(ETN)が,2008年にアダリムマブ(ADA)が RA治療に適応となった.また,ADAは2003年より治験によるRA治療が行われている.今回,我々はこれら3剤の10年以上の治療継続率を評価したので報告する.対象・方法:2007年以前に松原メイフラワー病院にてIFX,ETN,ADAを開始し,10年以上の経過観察が可能であったRA患者を対象とした.IFXは111例に投与され,そのうち10年以上の観察が可能であった95例を対象とした.ETNは119例中95例,ADAは27例中24例を対象とした.各製剤の継続率をKap...
Saved in:
Published in | 臨床リウマチ Vol. 30; no. 4; pp. 269 - 275 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
30.12.2018
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-8760 2189-0595 |
DOI | 10.14961/cra.30.269 |
Cover
Summary: | 目的:日本では2003年にインフリキシマブ(IFX)が,2005年にエタネルセプト(ETN)が,2008年にアダリムマブ(ADA)が RA治療に適応となった.また,ADAは2003年より治験によるRA治療が行われている.今回,我々はこれら3剤の10年以上の治療継続率を評価したので報告する.対象・方法:2007年以前に松原メイフラワー病院にてIFX,ETN,ADAを開始し,10年以上の経過観察が可能であったRA患者を対象とした.IFXは111例に投与され,そのうち10年以上の観察が可能であった95例を対象とした.ETNは119例中95例,ADAは27例中24例を対象とした.各製剤の継続率をKaplan-Meier生存曲線を用いて検討した.結果:Kaplan-Meier生存曲線にて,3剤の継続率に統計学的有意差は認めなかった.治療開始後12年時の治療継続率はIFXで10.5%,ETNで22.1%,ADAで8.3%であった.IFXの治療継続率にはIFX開始時のDAS28(CRP)が,ETNの治療継続率には発症時年齢がそれぞれ負の相関を認めた.寛解による中止の割合はADAで最も高かった.結論:今回の検討では,3剤の継続率に統計学的有意差を認めなったが,10年以上の継続率はETNで最も高く,ADAで最も低かった. |
---|---|
ISSN: | 0914-8760 2189-0595 |
DOI: | 10.14961/cra.30.269 |