クリッピング/コイル塞栓術後再発脳動脈瘤に対する直達手術の治療戦略

再発脳動脈瘤に対する直達手術は,さまざまな要因により治療が難しくなる.今回,過去7年間に直達手術により再治療を行った再発脳動脈瘤16例を対象とし,治療戦略と成績について後方視的検討を行った.7例がコイル塞栓術後,8例がクリッピング術後,1例が両治療後の再発であった.初回治療時の症状は,くも膜下出血(SAH)が14例,動眼神経麻痺が2例であった.再発時の症状は,SAHが5例,mass effectが2例,その他は無症候であった.初回治療から再治療までは,平均52カ月(1-192カ月)であった.11例でクリッピング,5例でバイパス併用下でのトラッピングを施行した.留置クリップは3例で除去し,留置コ...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 52; no. 3; pp. 223 - 230
Main Authors 吉川, 雄一郎, 木村, 辰規, 寺西, 亮雄, 鈴木, 海馬, 吉川, 信一朗, 竹田, 理々子, 小倉, 丈司, 池田, 俊貴, 大井川, 秀聡, 栗田, 浩樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2024
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Summary:再発脳動脈瘤に対する直達手術は,さまざまな要因により治療が難しくなる.今回,過去7年間に直達手術により再治療を行った再発脳動脈瘤16例を対象とし,治療戦略と成績について後方視的検討を行った.7例がコイル塞栓術後,8例がクリッピング術後,1例が両治療後の再発であった.初回治療時の症状は,くも膜下出血(SAH)が14例,動眼神経麻痺が2例であった.再発時の症状は,SAHが5例,mass effectが2例,その他は無症候であった.初回治療から再治療までは,平均52カ月(1-192カ月)であった.11例でクリッピング,5例でバイパス併用下でのトラッピングを施行した.留置クリップは3例で除去し,留置コイルは2例で部分的に切断した.術後,動脈瘤は全例で描出されず,mRSは1例で悪化,2例で改善を認めた.再発脳動脈瘤に対する直達手術では,安全性に加え,高い根治性が求められるため,しばしば留置クリップ/コイルの除去や血行再建術を併用した母血管遮断が必要となる.また,的確な術中判断も重要である.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.52.223