65歳以上の関節リウマチ患者に対するトシリズマブ治療の有効性と安全性 〜AORAレジストリーでの調査
目的:秋田整形外科リウマチグループ(Akita Orthopedic Group on Rheumatoid Arthritis: AORA)レジストリーにおける65歳以上の関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)患者に対するトシリズマブ(tocilizumab: TCZ)治療の臨床的有効性と安全性を検討する.対象・方法:TCZ投与累積症例177例のうち,2016年7月までに投与を開始した149例を対象とした.65歳以上の高齢者群,65歳未満の若年者群における,投与開始時の患者背景,投与継続率,disease activity score(DAS)28-ESR(4),E...
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Published in | 臨床リウマチ Vol. 31; no. 3; pp. 217 - 223 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
30.09.2019
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Subjects | |
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ISSN | 0914-8760 2189-0595 |
DOI | 10.14961/cra.31.217 |
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Summary: | 目的:秋田整形外科リウマチグループ(Akita Orthopedic Group on Rheumatoid Arthritis: AORA)レジストリーにおける65歳以上の関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)患者に対するトシリズマブ(tocilizumab: TCZ)治療の臨床的有効性と安全性を検討する.対象・方法:TCZ投与累積症例177例のうち,2016年7月までに投与を開始した149例を対象とした.65歳以上の高齢者群,65歳未満の若年者群における,投与開始時の患者背景,投与継続率,disease activity score(DAS)28-ESR(4),EULAR改善基準,及び投与脱落症例を後ろ向きに調査した.結果:高齢者群は47例(31%),若年者群は102例(69%)であった.投与開始時の患者背景では,高齢者群で,Class分類の3+4の占める割合と,MTXの非併用例が有意に多かった.投与累積継続率は,高齢者群は1年で91%,3年で82%,若年者群は1年で93%,3年で80%で,有意差はなかった.DAS28-ESR(4)は,投与開始時,高齢者群が平均4.55,若年者群が平均4.73であったが,投与後24週時には,それぞれ2.53,2.49で,両群とも有意に低下し,52週時まで維持され,両群間に有意差はなかった.疾患活動性は,52週時に高齢者群で74%,若年者群で72%が低疾患活動性を達成した.EULAR改善基準は,52週時で両群ともに87%において有効であった.投与脱落例は,有害事象は,高齢者群5例,若年者群15例,効果不十分は,高齢者群3例,若年者群9例であった.結論:65歳以上のRA患者に対するTCZ治療の,臨床的有効性や安全性は,若年者と同等であり,TCZは高齢RA患者に有用である. |
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ISSN: | 0914-8760 2189-0595 |
DOI: | 10.14961/cra.31.217 |