公開講座「患者学」の開催:患者に学ぶ,患者も学ぶ
慶應義塾大学信濃町キャンパスにおいて,筆者らは2014年10月より公開講座「患者学」を開講し,2018年末には第50回目を迎えた.対象は看護医療学部や医学部などの学生だけではなく,医師,看護師,保健師,薬剤師などの医療者,そして患者や一般市民を含んでいる.学生や医療者は患者から学び,患者や市民も対話の中で医療について学んでもらうという趣旨で「患者学」としている.患者と医療者が対話をできる場を提供し,両者が対話力を身につけ,両者の関係性を見直すことを目標としてきた.患者と医療者の対話の必要性やその技術や態度は理論だけ教わって身につくものではない.本講座のような医療における共通の目標をもち対話をす...
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Published in | 全人的医療 Vol. 17; no. 1; pp. 36 - 45 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 国際全人医療研究所
25.03.2019
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1341-7150 2434-687X |
DOI | 10.32183/ifcm.17.1_36 |
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Summary: | 慶應義塾大学信濃町キャンパスにおいて,筆者らは2014年10月より公開講座「患者学」を開講し,2018年末には第50回目を迎えた.対象は看護医療学部や医学部などの学生だけではなく,医師,看護師,保健師,薬剤師などの医療者,そして患者や一般市民を含んでいる.学生や医療者は患者から学び,患者や市民も対話の中で医療について学んでもらうという趣旨で「患者学」としている.患者と医療者が対話をできる場を提供し,両者が対話力を身につけ,両者の関係性を見直すことを目標としてきた.患者と医療者の対話の必要性やその技術や態度は理論だけ教わって身につくものではない.本講座のような医療における共通の目標をもち対話をするという関係性を体験することにより,医療者も患者も学ぶことができる.社会が大きく変革する時期を迎えて,これからの医療には患者と医療者の協働作業が求められる.その一助になることを願って活動を継続している. |
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ISSN: | 1341-7150 2434-687X |
DOI: | 10.32183/ifcm.17.1_36 |