当科における鼓膜形成術症例の治療成績およびフィブリン糊を使用せずに皮下組織片を固定した症例の検討

当科では接着法鼓膜形成術を標準術式としつつ、症例を選んで中鼓室および外耳道にゼラチンスポンジを充填することでフィブリン糊を使用せず皮下組織片を固定する工夫を行っている。当科にて鼓膜形成術を施行した症例の手術成績を検討するととともに、フィブリン糊を使用しない工夫について検証した。全体の穿孔閉鎖率は 90.5%、聴力改善成功率は 95.1%と良好な結果であった。63 耳中 10 耳はフィブリン糊を使用しない工夫を施したが、フィブリン糊を使用しなかった 10 耳すべてで鼓膜穿孔の閉鎖が得られ、当科のフィブリン糊の使用をしない工夫は、フィブリン糊の使用を希望しない鼓膜穿孔患者に対して選択肢の一つと考え...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in耳鼻と臨床 Vol. 68; no. 2; pp. 73 - 76
Main Authors 浦本, 怜奈, 岡部, 翠, 安井, 徹郎, 野田, 哲平, 松永, 啓秀, 玉江, 昭裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.03.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi.68.2_73

Cover

More Information
Summary:当科では接着法鼓膜形成術を標準術式としつつ、症例を選んで中鼓室および外耳道にゼラチンスポンジを充填することでフィブリン糊を使用せず皮下組織片を固定する工夫を行っている。当科にて鼓膜形成術を施行した症例の手術成績を検討するととともに、フィブリン糊を使用しない工夫について検証した。全体の穿孔閉鎖率は 90.5%、聴力改善成功率は 95.1%と良好な結果であった。63 耳中 10 耳はフィブリン糊を使用しない工夫を施したが、フィブリン糊を使用しなかった 10 耳すべてで鼓膜穿孔の閉鎖が得られ、当科のフィブリン糊の使用をしない工夫は、フィブリン糊の使用を希望しない鼓膜穿孔患者に対して選択肢の一つと考えられた。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.68.2_73