散発下痢患者由来のAermonas属について
1983年と1984年の4月-9月の間に, 216名 (小児111名, 成人105名) の散発下痢患者を対象とした検査で23名からAeromonas属の菌が分離された. 内訳けはAeromonas hydrophila 8菌株, A.sobtia7菌株, A.caviae8菌株で, ヒトの下痢症との関連性が指摘されているA.hydrophila/sobriaは合計15菌株に達し, 推定病原菌としてはCampylocacter jejuni (26菌株) につぐ高い分離率を示した. 小児と成人におけるA.hydrophila/sobriaの分離率を比較すると, 両者でほぼ同様の割合 (6.3%対...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 59; no. 10; pp. 977 - 983 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
1985
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.59.977 |
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Summary: | 1983年と1984年の4月-9月の間に, 216名 (小児111名, 成人105名) の散発下痢患者を対象とした検査で23名からAeromonas属の菌が分離された. 内訳けはAeromonas hydrophila 8菌株, A.sobtia7菌株, A.caviae8菌株で, ヒトの下痢症との関連性が指摘されているA.hydrophila/sobriaは合計15菌株に達し, 推定病原菌としてはCampylocacter jejuni (26菌株) につぐ高い分離率を示した. 小児と成人におけるA.hydrophila/sobriaの分離率を比較すると, 両者でほぼ同様の割合 (6.3%対7.6%) であったが, とくに成人においては, ほかの推定病原菌と比して最も高い分離率であった. 本下痢症例から分離したA.hydrophila/sobriaの培養上清は, 15菌株中13菌株 (86.7%) がウサギ血球に対して溶血性を示した. A.hydrophila/sobriaの本下痢症例由来菌株 (15菌株) と環境材料から分離した菌株 (26菌株) について, 溶血性試験の成績とリシン脱炭酸試験およびVP反応の成績との関連性をしらべたが, 相関は認められなかった. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.59.977 |