当院におけるImpella導入からこれまで ―臨床工学技士の視点から

概要: Impellaは本邦にて2017年に使用可能となった補助循環デバイスである.その構成は,心室内に留置するポンプカテーテルおよび制御装置からなる心内留置型ポンプカテーテルである.Impella導入にあたり,施設認定基準を確認した.Impella実施施設認定基準に体外循環技術認定士または人工心臓管理技術認定士の2名を含む3名以上の臨床工学技士の在籍があること1)とされている.当院では,Impella導入前,5名の体外循環技術認定士が在籍しており,この条件は満たしていた. 導入時の,ミーティングやドライランなどと並行して,導入後の運用を考えた準備を開始した.経過を記録する経過表の作成や使用材...

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Published in島根県立中央病院医学雑誌 Vol. 48; no. 1; pp. 19 - 23
Main Authors 杉原, 克彦, 福間, 優太, 山中, 英樹, 宮里, 恵美, 錦織, 伸司, 石川, 哲造, 渡部, 尚人, 福島, 成文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 島根県立中央病院 10.03.2024
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ISSN0289-5455
2435-0710
DOI10.34345/spch.48.1_19

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Summary:概要: Impellaは本邦にて2017年に使用可能となった補助循環デバイスである.その構成は,心室内に留置するポンプカテーテルおよび制御装置からなる心内留置型ポンプカテーテルである.Impella導入にあたり,施設認定基準を確認した.Impella実施施設認定基準に体外循環技術認定士または人工心臓管理技術認定士の2名を含む3名以上の臨床工学技士の在籍があること1)とされている.当院では,Impella導入前,5名の体外循環技術認定士が在籍しており,この条件は満たしていた. 導入時の,ミーティングやドライランなどと並行して,導入後の運用を考えた準備を開始した.経過を記録する経過表の作成や使用材料のリスト,交換物品の使用開始簿など運用開始に先立ち作成し,臨床工学技士内で供覧した。Impellaを2022年10月より導入し,現在まで12例(2023年8月末時点)を経験した.導入後,数例は慣れないデバイスに混乱もきたした.しかし、当院の勤務体制がローテーションであることから,1症例あたり多くの臨床工学技士が携わることができた.また,症例も立て続けにあり,Impellaへの対応も早かった.島根県初導入であり,県内の他施設との情報交換は行えず、導入前は不安が多かったが,導入時のe-Learningに加え,導入前からの準備により大きな問題もなく導入,運用開始ができた.
ISSN:0289-5455
2435-0710
DOI:10.34345/spch.48.1_19