「遅刻」に対する応用行動分析学的介入の試み

あらゆる領域で「遅刻」が問題となっている.遅刻しないために複数の応用行動分析学的な介入を実施した.対象は,当院の職員である二十五歳男性一名とした.方法は,効果的と考えられる介入を六つ列挙し,週毎に各介入の内容を事前提示してから実施した.記入表とグラフ化できるシートを作成し,目標および実際の到着時間を記録した.その後,介入者が毎日フィードバックで注目・賞賛をした.測定項目は,介入毎の目標達成時間と目標達成回数とした.その結果,トークンエコノミー法を用いた介入で目標達成時間が改善した.これはポイントやボーナス獲得という「好子出現の強化」により操作された可能性が考えられた.また,個人の能力に合わせた...

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Published inリハビリテーションと応用行動分析学 Vol. 8; pp. 6 - 9
Main Authors 中山, 直之, 鈴木, 優太, 千田, 伸一, 永澤, 雷太, 髙砂, 恭兵, 桂下, 直也, 堀田, 祐貴, 佐藤, 佑哉, 小野, 涼哉, 定免, 沙樹, 清水, 翔太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published リハビリテーションのための応用行動分析学研究会 2021
Subjects
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ISSN1884-2658
2759-2588
DOI10.60400/rehaaba.8.0_6

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Summary:あらゆる領域で「遅刻」が問題となっている.遅刻しないために複数の応用行動分析学的な介入を実施した.対象は,当院の職員である二十五歳男性一名とした.方法は,効果的と考えられる介入を六つ列挙し,週毎に各介入の内容を事前提示してから実施した.記入表とグラフ化できるシートを作成し,目標および実際の到着時間を記録した.その後,介入者が毎日フィードバックで注目・賞賛をした.測定項目は,介入毎の目標達成時間と目標達成回数とした.その結果,トークンエコノミー法を用いた介入で目標達成時間が改善した.これはポイントやボーナス獲得という「好子出現の強化」により操作された可能性が考えられた.また,個人の能力に合わせた達成可能な課題設定にすることで目標達成回数が増加した.これは日毎に達成できるような簡単な行動にしたためと考えた.以上のことから,これらの応用行動分析学な介入は効果的な方法である可能性が示唆された.
ISSN:1884-2658
2759-2588
DOI:10.60400/rehaaba.8.0_6