高齢関節リウマチ患者の臨床的検討
関節リウマチ(RA)患者の高齢化は若年発症RA患者の高齢化に加え,高齢発症の患者も増加している.我々は1991年のRA429症例と2018年のRA368例について横断的検討を行い年齢,性比を検討した.その結果1991年の平均年齢は55.3歳でRA患者のピークは50歳代と60歳代にあり,2018年の平均年齢は66.9歳で,70歳代にピークが認められ(P=0.000),高齢化が確認された.性別の検討では2018年は1991年に比べて男性患者の増加が認められた(P=0.003).2018年のRA症例の検討では,65歳以上で発症した高齢発症RA(EORA)では初発関節として大関節の割合多く65歳未満の...
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Published in | 臨床リウマチ Vol. 33; no. 2; pp. 106 - 112 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
2021
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Subjects | |
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ISSN | 0914-8760 2189-0595 |
DOI | 10.14961/cra.33.106 |
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Summary: | 関節リウマチ(RA)患者の高齢化は若年発症RA患者の高齢化に加え,高齢発症の患者も増加している.我々は1991年のRA429症例と2018年のRA368例について横断的検討を行い年齢,性比を検討した.その結果1991年の平均年齢は55.3歳でRA患者のピークは50歳代と60歳代にあり,2018年の平均年齢は66.9歳で,70歳代にピークが認められ(P=0.000),高齢化が確認された.性別の検討では2018年は1991年に比べて男性患者の増加が認められた(P=0.003).2018年のRA症例の検討では,65歳以上で発症した高齢発症RA(EORA)では初発関節として大関節の割合多く65歳未満の若年発症RA(YORA)では小関節の発症が多かった(P<0.01).RFはYORAが73.1%,EORAが60.7%(P=0.02),抗CCP抗体はYORAが68.4%,EORAが58.3%(P=0.034)とRFと抗CCP抗体共にYORAで陽性率が高かった.治療ではMTXの使用頻度,量ともYORAが多く使用されていた.アミロイドーシスは全体の1.6%に存在し,全例がYORAで解析時に65歳以上であった. |
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ISSN: | 0914-8760 2189-0595 |
DOI: | 10.14961/cra.33.106 |