健診データの利活用および外部提供に関する健診機関の方針と課題

【目的】2018(平成30)年5月「次世代医療基盤法」の施行に先立ち,健診データ保有機関におけるデータの利活用の現状や外部提供に関する方針等を明らかにすることを目的として全国調査を実施した.【方法】都道府県別機関数に応じ抽出した298機関を対象に,2016(平成28)年7月18日から8月31日にかけて郵送調査を行った.【結果】79機関から回答があり,46機関で健診データの二次利用と外部への提供をしていた.63機関が条件によりデータの外部提供を検討するとの方針を示し,データに関する利用目的の妥当性,匿名化,機関の情報管理を求めていた.他方,安全性の高い匿名化技術をデータに施すという条件をつけても...

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Published in医療情報学 Vol. 40; no. 2; pp. 97 - 105
Main Authors 入野, 了士, 木村, 映善, 石田, 博, 栗原, 幸男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療情報学会 09.10.2020
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Summary:【目的】2018(平成30)年5月「次世代医療基盤法」の施行に先立ち,健診データ保有機関におけるデータの利活用の現状や外部提供に関する方針等を明らかにすることを目的として全国調査を実施した.【方法】都道府県別機関数に応じ抽出した298機関を対象に,2016(平成28)年7月18日から8月31日にかけて郵送調査を行った.【結果】79機関から回答があり,46機関で健診データの二次利用と外部への提供をしていた.63機関が条件によりデータの外部提供を検討するとの方針を示し,データに関する利用目的の妥当性,匿名化,機関の情報管理を求めていた.他方,安全性の高い匿名化技術をデータに施すという条件をつけても,機関の意識は有意に変化しなかった.【考察】調査結果からは,データ外部提供について,提供を受ける側が提供先に対してデータの利用目的や情報管理体制をしっかり説明し,健診データ提供に関する意義と必要性を訴えることと,次世代医療基盤法のガイドラインに準拠した匿名化技術の確立の必要性が示唆された.
ISSN:0289-8055
2188-8469
DOI:10.14948/jami.40.97