側頭骨chondroblastomaの1手術例

症例は38歳女性で, 4年前に右聴力低下を発症し徐々に進行していた. 頭部CT上右側頭骨に腫瘍を認め, 前医にて外耳道経由で生検を行いchondroblastomaと診断された. 右聴力低下以外に神経学的異常所見は認めなかった. 頭部CT上右側頭骨内に37×34mm大の腫瘍が存在し下顎関節突起の一部に破壊像を認め, 内耳道と三半規管にも浸潤を認めた. 顔面神経モニターを用い, 機能温存可能な範囲で腫瘍を可及的に切除した. 術後一過性に軽度顔面神経麻痺を認めたものの改善した. それ以外の新たな神経脱落症状はなく独歩退院となった. 最終的な病理学的診断は生検と同様でchondroblastomaで...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 23; no. 1; pp. 65 - 70
Main Authors 善本, 晴子, 澁谷, 誠, 石田, 敦士, 松尾, 成吾, 朝来野, 佳三, 新村, 核, 湯澤, 美季, 森山, 貴, 白水, 秀樹, 堀, 智勝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2014
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.23.65

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Summary:症例は38歳女性で, 4年前に右聴力低下を発症し徐々に進行していた. 頭部CT上右側頭骨に腫瘍を認め, 前医にて外耳道経由で生検を行いchondroblastomaと診断された. 右聴力低下以外に神経学的異常所見は認めなかった. 頭部CT上右側頭骨内に37×34mm大の腫瘍が存在し下顎関節突起の一部に破壊像を認め, 内耳道と三半規管にも浸潤を認めた. 顔面神経モニターを用い, 機能温存可能な範囲で腫瘍を可及的に切除した. 術後一過性に軽度顔面神経麻痺を認めたものの改善した. それ以外の新たな神経脱落症状はなく独歩退院となった. 最終的な病理学的診断は生検と同様でchondroblastomaであった. 側頭骨に発生するchondroblastomaはまれな骨腫瘍であり, 過去の報告を渉猟し検討した.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.23.65