看護職に向けたダウン症候群のケアデータベースの枠組みの作成と評価
【目的】近年の医療技術の向上に伴い、ダウン症候群(以下ダウン症)のある人の寿命は急激に延伸し、全てのライフステージで様々な専門職による包括的な支援が求められている。そこで、ダウン症のある人のライフステージ毎に活用出来るケアデータベース(看護職向け)の構築が必要であると考えた。本研究では、既存の資料からケアデータベースの枠組みを作成し、その作成手順や使用した資料の妥当性を明らかにすることを目的とした。 【方法】まず文献等の資料より生活行動を中心にした看護領域およびライフステージから成るケアデータベースの枠組みを作成し、次にその評価を行った。評価者は専門職またはダウン症のある人の家族とした。データ...
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Published in | 日本遺伝看護学会誌 Vol. 21; pp. 1 - 9 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本遺伝看護学会
30.09.2022
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Subjects | |
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Summary: | 【目的】近年の医療技術の向上に伴い、ダウン症候群(以下ダウン症)のある人の寿命は急激に延伸し、全てのライフステージで様々な専門職による包括的な支援が求められている。そこで、ダウン症のある人のライフステージ毎に活用出来るケアデータベース(看護職向け)の構築が必要であると考えた。本研究では、既存の資料からケアデータベースの枠組みを作成し、その作成手順や使用した資料の妥当性を明らかにすることを目的とした。 【方法】まず文献等の資料より生活行動を中心にした看護領域およびライフステージから成るケアデータベースの枠組みを作成し、次にその評価を行った。評価者は専門職またはダウン症のある人の家族とした。データ収集は郵便による無記名自己記入式質問紙調査とした。調査内容は、評価者の基本属性とケアデータベースの妥当性の評価項目で、評価項目に関して①作成した枠組み、②看護領域の抽出で使用した資料、③各看護領域の具体的ケアを4段階のリッカート尺度で測定した。分析は、Lynnの内容的妥当性定量化方法に沿って、評価項目ごとの内容的妥当性(Item- Content Validity Index;I-CVI)、評価項目の全体としての妥当性(Scale- Content Validity Index;S-CVI)を集計した。 【結果】1.ケアデータベースの枠組みは、横軸に乳児期から成人期までの6つのライフステージ、縦軸に「排泄」「睡眠と休息」「衣服の着脱身だしなみ」など14の看護領域から構成した。各看護領域の具体的ケアは220 項目となった。2.枠組みの作成手順に関するS-CVI/Aveは0.975、ケアの具体例を抽出するために使用した資料に関するS-CVI/Aveは0.94、14の各看護領域の具体的ケアに関するS-CVI/Aveは0.93となり、いずれも0.90 の基準以上であり妥当性が認められた。看護領域別には、専門職および家族共にS-CVI/Aveが0.9以上となったものは、14領域中5領域であり、専門職と家族により評価が異なる領域も見られた。 |
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ISSN: | 1881-3267 2436-9098 |
DOI: | 10.57276/jjsgn.21.0_1 |