MR Imaging T2強調像による顎関節円板および後部組織の穿孔の診断能
MR画像検査は顎関節円板形態および動態の把握を可能とし1,広く日常臨床で利用されているものの, MR画像検査による関節円板や後部組織の穿孔(以後, 円板穿孔)は, 下顎頭の骨変化や円板変形等の形態的変化に基づいて推定されている2-5. しかしながら, 画像上で骨変化を伴わなかったり軽度の変化しか認められない場合にも, 穿孔の存在が考えられている2-4, 6, 7. このことからMR画像において穿孔を示唆する所見を決めることができれば, 関節腔造影検査や関節鏡検査などの侵襲的検査を行うことなしに円板穿孔の診断が可能となる. 我々は, 日常の臨床において復位を伴わない関節円板前方転位症例で円板穿孔...
Saved in:
Published in | 歯科放射線 Vol. 40; no. 2; pp. 138 - 144 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
2000
日本歯科放射線学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0389-9705 2185-6311 |
DOI | 10.11242/dentalradiology1960.40.138 |
Cover
Summary: | MR画像検査は顎関節円板形態および動態の把握を可能とし1,広く日常臨床で利用されているものの, MR画像検査による関節円板や後部組織の穿孔(以後, 円板穿孔)は, 下顎頭の骨変化や円板変形等の形態的変化に基づいて推定されている2-5. しかしながら, 画像上で骨変化を伴わなかったり軽度の変化しか認められない場合にも, 穿孔の存在が考えられている2-4, 6, 7. このことからMR画像において穿孔を示唆する所見を決めることができれば, 関節腔造影検査や関節鏡検査などの侵襲的検査を行うことなしに円板穿孔の診断が可能となる. 我々は, 日常の臨床において復位を伴わない関節円板前方転位症例で円板穿孔を生じたもののMR画像のT2強調像上で, 通常は低信号を呈する円板後部組織部の信号強度が高信号を呈するという例を頻繁に経験した. そこで, この信号変化と円板穿孔との関連性について分析し, 加えてこの所見がMR画像での円板穿孔を示す所見となりうるか否かについて検討を行った. |
---|---|
ISSN: | 0389-9705 2185-6311 |
DOI: | 10.11242/dentalradiology1960.40.138 |