高等学校におけるキャリア教育の現状と課題 - よりよい高大接続をめざして

「抄録」高等学校では, 生徒が培った資質・能力が発揮できるように様々なキャリア教育を行っている. しかし, 情報量の不足に加え, 大学選択に大きく関わる文系/理系のコース選択が高等学校入学後, 半年程度の短期間に行われるため, 生徒の適性を引き出す進路指導が十分にはできていないという現状がある. このため, 生徒がものの見方を広げ, 社会で活躍する自分のイメージをつかめるようにするには, 大学および地域社会の協力が欠かせない. そこで, 本稿では, 高等学校の進路指導の現状を示し, 今後の高等学校の効果的なキャリア教育について検討した. その結果, 高大接続の観点から, 大学教員の出前講義を効...

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Published inKAWASAKI IGAKKAI SHI LIBERAL ARTS & SCIENCES no. 43; pp. 29 - 36
Main Authors 北澤正志, 橋本美香, 小崎順子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 2017
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ISSN0386-5398
DOI10.11482/kmj-las(43)29

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Summary:「抄録」高等学校では, 生徒が培った資質・能力が発揮できるように様々なキャリア教育を行っている. しかし, 情報量の不足に加え, 大学選択に大きく関わる文系/理系のコース選択が高等学校入学後, 半年程度の短期間に行われるため, 生徒の適性を引き出す進路指導が十分にはできていないという現状がある. このため, 生徒がものの見方を広げ, 社会で活躍する自分のイメージをつかめるようにするには, 大学および地域社会の協力が欠かせない. そこで, 本稿では, 高等学校の進路指導の現状を示し, 今後の高等学校の効果的なキャリア教育について検討した. その結果, 高大接続の観点から, 大学教員の出前講義を効果的に活用することが重要であることが明らかになった. これらの活用により, 知識偏重といわれる高等学校の学習を主体的学びへと転換する契機となることも示唆された. さらに, これらを実現させるためには, 高等学校に出前講義や大学訪問を実施する際, どのような内容を提供できるのかを明確に示すことのできるホームページの工夫も重要であることを提言した.
ISSN:0386-5398
DOI:10.11482/kmj-las(43)29