自然な視覚探索を考慮した操作時間予測に関する研究 視覚探索モデル構築に基づいて

GUIシステムの設計では操作時間予測による評価が有用であり,その代表的手法としてCard SKのKLM(Keystroke Level Model)がある.その予測は,ユーザーの操作をモデル化し,そこに基本時間値を当てはめる手順で行われるため,予測時間はモデルに依存する.一方,その予測精度は必ずしも高いとは言えず,項目群視覚探索においてKLMを適用した例では実測値に対して30~40%長く予測されることが報告されており,その原因としていわゆる「斜め読み」のモデル化ができていないことが指摘されている.本稿では「斜め読み」について注視点分析を行った.結果,1)探索者が探索対象の項目と外見的特徴(文字...

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Published in人間工学 Vol. 54; no. 2; pp. 74 - 83
Main Authors 前田, 佳孝, 小松原, 明哲, 渡部, 公也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 15.04.2018
日本人間工学会
Subjects
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.54.74

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Summary:GUIシステムの設計では操作時間予測による評価が有用であり,その代表的手法としてCard SKのKLM(Keystroke Level Model)がある.その予測は,ユーザーの操作をモデル化し,そこに基本時間値を当てはめる手順で行われるため,予測時間はモデルに依存する.一方,その予測精度は必ずしも高いとは言えず,項目群視覚探索においてKLMを適用した例では実測値に対して30~40%長く予測されることが報告されており,その原因としていわゆる「斜め読み」のモデル化ができていないことが指摘されている.本稿では「斜め読み」について注視点分析を行った.結果,1)探索者が探索対象の項目と外見的特徴(文字数,文字の種類等)の一致する項目のみを知覚し,認知処理していること,2)一度の注視で近中心視内の外見的特徴が一致する項目を最大3項目まで同時認知していることが示唆され,それを基にモデルを構築し,探索時間を予測した結果,実測平均値との差が最大16%に収まり,予測精度の向上が確認された.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.54.74