新富論文に対するEditorial Comment 心筋傷害例における抗不整脈薬の催不整脈作用

すでに肺静脈隔離を中心としたカテーテルアブレーションが主流となっている心房細動のリズム治療においても, 抗不整脈薬によるリズム治療が必要となる場合がある. アブレーション抵抗例やアブレーション後早期の再発例, またアブレーションを希望しない発作性心房細動症例などがこれに該当するが, 本邦ではピルシカイニド, シベンゾリン, ベプリジル等が選択される場合が多い. これらの薬物は, 必ずしもアミオダロンを優位とする欧米のエビデンスを凌駕するデータを示しているものではないが, いずれも本邦で使用経験が多く, またJ-Rhythm試験において有益な結果が示されたことから, 本邦のガイドライン上でも優先...

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Published in心臓 Vol. 50; no. 1; pp. 88 - 89
Main Author 庭野, 慎一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.01.2018
日本心臓財団・日本循環器学会
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.50.88

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Summary:すでに肺静脈隔離を中心としたカテーテルアブレーションが主流となっている心房細動のリズム治療においても, 抗不整脈薬によるリズム治療が必要となる場合がある. アブレーション抵抗例やアブレーション後早期の再発例, またアブレーションを希望しない発作性心房細動症例などがこれに該当するが, 本邦ではピルシカイニド, シベンゾリン, ベプリジル等が選択される場合が多い. これらの薬物は, 必ずしもアミオダロンを優位とする欧米のエビデンスを凌駕するデータを示しているものではないが, いずれも本邦で使用経験が多く, またJ-Rhythm試験において有益な結果が示されたことから, 本邦のガイドライン上でも優先的な使用が支持されている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.50.88