大腸sm癌術後6カ月で多発肝転移をきたした1例

症例は78歳,女性.下血のため,近医でcolonoscopy検査を受け, S状結腸polypと診断され,当院消化器内科紹介された. S状結腸Ip病変に対し, polypectomy施行した結果sm浸潤があり,また,横行結腸にIIa+IIc病変が認められたため,結腸切除目的に当科紹介された. 2003年8月25日,横行結腸切除術, S状結腸切除術, 2群リンパ節郭清を施行した.病理組織学的所見では, Ila+IIc部は深達度sm3で, ly1, v1と脈管侵襲を認めたが,リンパ節転移はみられなかった. S状結腸には癌の残存はなく,脈管侵襲,リンパ節転移も認めなかった. 2004年2月19日,腹部...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 2; pp. 458 - 461
Main Authors 鈴木, 彰, 岡本, 講平, 前島, 俊孝, 清水, 文彰, 土屋, 拓司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.02.2005
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.458

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Summary:症例は78歳,女性.下血のため,近医でcolonoscopy検査を受け, S状結腸polypと診断され,当院消化器内科紹介された. S状結腸Ip病変に対し, polypectomy施行した結果sm浸潤があり,また,横行結腸にIIa+IIc病変が認められたため,結腸切除目的に当科紹介された. 2003年8月25日,横行結腸切除術, S状結腸切除術, 2群リンパ節郭清を施行した.病理組織学的所見では, Ila+IIc部は深達度sm3で, ly1, v1と脈管侵襲を認めたが,リンパ節転移はみられなかった. S状結腸には癌の残存はなく,脈管侵襲,リンパ節転移も認めなかった. 2004年2月19日,腹部CTにて,多発肝転移を認めたため,肝転移巣核出術を施行した.腫瘍マーカーは肝転移時に上昇したが,術後には再び正常化した. VEGF染色は陽性であり,腫瘍の転移能の高さが示唆された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.458