白内障手術における術後乱視変化の検討

白内障術後に良好な視機能を得るには、術後乱視の発生を予測しコントロールする必要がある。術後の角膜乱視の動きをJaffeのベクトル法より求めて術式別に比較検討した。切開法による術後乱視変化は4mm直線切開、6mm直線切開、5.5mm Frown切開、3.75mm耳側角膜切開で変化量に有意差はなかったが、術前角膜乱視を直乱視群、倒乱視群に分けると、直乱視群において、上方直線切開、Frown切開ともに直乱視減少の方向に乱視が加わり、ベクトル量の変化において切開法による有意差がみられた。倒乱視群においては、上方直線切開、Frown切開ともに倒乱視増加の方向に乱視が加わったが、ベクトル量の変化に有意差が...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 27; pp. 105 - 110
Main Authors 二宮, 登美子, 山岸, 広子, 石井, 雅子, 早川, 由里子, 佐久間, 敦子, 山口, 典子, 山口, 雅之, 藤井, 青, 藤井, 靖, 石井, さとみ, 寒河江, 豊, 梶原, 紀子, 中村, 桂三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 25.07.1999
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.27.105

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Summary:白内障術後に良好な視機能を得るには、術後乱視の発生を予測しコントロールする必要がある。術後の角膜乱視の動きをJaffeのベクトル法より求めて術式別に比較検討した。切開法による術後乱視変化は4mm直線切開、6mm直線切開、5.5mm Frown切開、3.75mm耳側角膜切開で変化量に有意差はなかったが、術前角膜乱視を直乱視群、倒乱視群に分けると、直乱視群において、上方直線切開、Frown切開ともに直乱視減少の方向に乱視が加わり、ベクトル量の変化において切開法による有意差がみられた。倒乱視群においては、上方直線切開、Frown切開ともに倒乱視増加の方向に乱視が加わったが、ベクトル量の変化に有意差がみられなかった。耳側角膜切開においては倒乱視の変化量が少なく、5.5mm Frown切開、上方直線切開との間で変化量に有意差がみられた。また、倒乱視群におけるベクトル量の変化の比較では、術前角膜乱視1.0D以上の群で0.75D以下の群より有意に大きかった。術後乱視の原因は角膜乱視が全てではないが、術後角膜乱視をコントロールすることは術後乱視の発生を抑える上で重要である。角膜に加えられた形状の変化を捉えるために、角膜トポグラフィーは有用であった。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.27.105