義肢製作に関わる職員と医師の連携についての調査
「抄録」本研究では, 医学生が多職種連携を考える上で, 義肢装具士との連携においてはどのようなことが必要であるかを調査・検討した. 調査の結果, 調査対象とした義肢装具士46名中, 医師との連携で困っていると答えた人数は16名 (35.6%) であった. アンケートとインタビューの内容から, 患者, 医師, 義肢装具士の三者間の連携不足があることが明らかになった. これによって, 義肢装具士が現場で抱える問題として, (1) 医師との情報交換の頻度の少なさ, (2) 義肢装具使用者の装着後のメンテナンスなどができていないなどの問題が挙げられた. また, 医学生として学ぶべきことは, 患者のQO...
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Published in | KAWASAKI IGAKKAI SHI LIBERAL ARTS & SCIENCES no. 46; pp. 61 - 70 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
川崎医学会
2020
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-5398 |
DOI | 10.11482/kmj-las202046061 |
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Summary: | 「抄録」本研究では, 医学生が多職種連携を考える上で, 義肢装具士との連携においてはどのようなことが必要であるかを調査・検討した. 調査の結果, 調査対象とした義肢装具士46名中, 医師との連携で困っていると答えた人数は16名 (35.6%) であった. アンケートとインタビューの内容から, 患者, 医師, 義肢装具士の三者間の連携不足があることが明らかになった. これによって, 義肢装具士が現場で抱える問題として, (1) 医師との情報交換の頻度の少なさ, (2) 義肢装具使用者の装着後のメンテナンスなどができていないなどの問題が挙げられた. また, 医学生として学ぶべきことは, 患者のQOLのために, 患者だけでなく義肢装具士など他の職種とのコミュニケーションが重要であること, さらに, 義肢装具士などの他の専門職種について医師が知らない領域があるということを認識し, 積極的な情報共有の必要性を理解することである. 以上のことから, 医師の卒前または卒後教育の中で義肢装具に関する知識・技術の習得とともに, 義肢装具士がチーム医療には必要であること, 病院においては義肢装具士もカンファレンスに参加できる環境作りが急務であると考える. |
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ISSN: | 0386-5398 |
DOI: | 10.11482/kmj-las202046061 |