眼鏡とフレネル膜プリズム装用が有効であった近視を伴う後天性内斜視の2例

近視を伴う後天性内斜視に対して、適切な屈折矯正とフレネル膜プリズムを処方し、良好な経過をたどった2症例を報告した。 症例はいずれも近視の増加する時期に、複視と眼位異常を主訴に来院した14歳と15歳の女子である。発症当時は、中等度近視に対する適切な屈折矯正はなされていなかった。勉強や読書などの近業を長時間行うことが多く、これらが内斜視発症の誘因の1つであると考えられた。そこで、適切な近視眼鏡と複視消失のための膜プリズムの処方を行った。膜プリズムは、眼鏡を装用して複視がほぼ消失する最も弱い度とした。装用により徐々に眼位の改善がみられ、現在は近視矯正眼鏡のみで内斜位を保ち、複視も消失している。 内斜...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 28; pp. 193 - 197
Main Authors 竹田, 千鶴子, 沖坂, 重邦, 宮部, 友紀, 菅野, 早恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 25.08.2000
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.28.193

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Summary:近視を伴う後天性内斜視に対して、適切な屈折矯正とフレネル膜プリズムを処方し、良好な経過をたどった2症例を報告した。 症例はいずれも近視の増加する時期に、複視と眼位異常を主訴に来院した14歳と15歳の女子である。発症当時は、中等度近視に対する適切な屈折矯正はなされていなかった。勉強や読書などの近業を長時間行うことが多く、これらが内斜視発症の誘因の1つであると考えられた。そこで、適切な近視眼鏡と複視消失のための膜プリズムの処方を行った。膜プリズムは、眼鏡を装用して複視がほぼ消失する最も弱い度とした。装用により徐々に眼位の改善がみられ、現在は近視矯正眼鏡のみで内斜位を保ち、複視も消失している。 内斜視の手術を選択する前に、適切な屈折矯正眼鏡とプリズム装用を行うことが、症例によっては有用であると考えられた。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.28.193