脳卒中片麻痺者における油圧式底屈制動継ぎ手付き短下肢装具の再作製装具に関する後方視的観察研究

本研究は、回復期リハビリテーション病棟(回復期リハ病棟)にて治療用として作製された金属支柱付き短下肢装具(AFO)のうち、油圧式底屈制動継ぎ手付きAFO(AFO-OD)が従来の底屈制限機能付きAFO(AFO-PS)に比べ、装具再作製時における種類変更割合や痙縮の悪化の有無が異なるかを明らかにすることを目的とした。研究デザインは後方視的観察研究とし、脳卒中片麻痺者25名を対象とした。治療用として作製されたAFO、ならびに退院後の外来で再作製されたAFOをそれぞれAFO-ODとAFO-PSに分類し、クロス集計表を作成した。その後McNemer検定で解析した。また2種類の治療用装具使用者の装具再作製...

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Published in支援工学理学療法学会誌 Vol. 4; no. 1; pp. 13 - 18
Main Authors 森泉, 秀太郎, 宮坂, 翔太, 須江, 慶太, 荒深, 康司, 塩川, 清信, 斎藤, 文樹, 土屋, 隆道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本支援工学理学療法学会 30.09.2024
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ISSN2436-6951
DOI10.57302/jatpt.4.1_13

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Summary:本研究は、回復期リハビリテーション病棟(回復期リハ病棟)にて治療用として作製された金属支柱付き短下肢装具(AFO)のうち、油圧式底屈制動継ぎ手付きAFO(AFO-OD)が従来の底屈制限機能付きAFO(AFO-PS)に比べ、装具再作製時における種類変更割合や痙縮の悪化の有無が異なるかを明らかにすることを目的とした。研究デザインは後方視的観察研究とし、脳卒中片麻痺者25名を対象とした。治療用として作製されたAFO、ならびに退院後の外来で再作製されたAFOをそれぞれAFO-ODとAFO-PSに分類し、クロス集計表を作成した。その後McNemer検定で解析した。また2種類の治療用装具使用者の装具再作製時における痙縮の悪化の有無をFisherの正確確率検定で解析した。その結果、治療用装具として作製されたAFO-ODは再作製時のAFO-PSに変更する割合が有意に高かった。またAFO-OD使用者では有意に痙縮が悪化していた。本研究からAFO-ODは不適合を生じやすいことが示唆され、早期からの支援体制構築が必要と考えられた。
ISSN:2436-6951
DOI:10.57302/jatpt.4.1_13