バランス機能低下と浮動性めまいを認めた右視床出血症例に対する前庭リハビリテーションの実践
目的:右視床出血症例に対し、バランス練習を含めた前庭リハビリテーションを実施し、バランス機能や浮動性めまいの改善を認めたため、ここに報告する。症例:右視床出血を呈した70代男性。運動麻痺や体性感覚の低下は軽度であったが、立位保持時や歩行における方向転換時にふらつきを認め、日常生活活動で常に見守りを要した。方法:バランス練習を含めた前庭リハビリテーションを1カ月間行った。結果:自覚的視性垂直位、Head Impulse Test、Mini-Balance Evaluation Systems Test、10m歩行速度、Timed Up and Go Testが改善し、浮動性めまいは消失した。重心...
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Published in | 神経理学療法学 Vol. 4; no. 1; pp. 12 - 25 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本神経理学療法学会
31.03.2025
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Subjects | |
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ISSN | 2758-0458 |
DOI | 10.57353/jsnpt.4.1_12 |
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Summary: | 目的:右視床出血症例に対し、バランス練習を含めた前庭リハビリテーションを実施し、バランス機能や浮動性めまいの改善を認めたため、ここに報告する。症例:右視床出血を呈した70代男性。運動麻痺や体性感覚の低下は軽度であったが、立位保持時や歩行における方向転換時にふらつきを認め、日常生活活動で常に見守りを要した。方法:バランス練習を含めた前庭リハビリテーションを1カ月間行った。結果:自覚的視性垂直位、Head Impulse Test、Mini-Balance Evaluation Systems Test、10m歩行速度、Timed Up and Go Testが改善し、浮動性めまいは消失した。重心動揺計を用いたmodified Clinical Test of Sensory Interaction and Balanceでは閉眼条件における各パラメーターの改善を認めた。日常生活活動では歩行自立に至った。結論:前庭機能低下を呈した右視床出血症例に対する前庭リハビリテーションはバランス機能の改善に有用である可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 2758-0458 |
DOI: | 10.57353/jsnpt.4.1_12 |