ピアサポートを受けたがん患者の思いに関する研究内容の分析
[目的]ピアサポートを促進するために必要な課題を明確化するため,ピアサポートを受けたがん患者の思いを明らかにする.[方法]1985年~2018年の医学中央雑誌Web版(Ver5)を用いて,腫瘍にピアグループ,ピアサポート,感情,共感,患者心理,語り等をキーワードに検索し研究目的に沿った15件を対象とした.研究論文数,研究方法などについては記述統計量を算出した.思いの内容は質的帰納的に分析した.[結果]対象となった15論文から,記録単位63単位,コード36,各コードの意味内容を類似性に基づき分類した結果,14サブカテゴリー,7つのカテゴリー[ピアからもらうがんと生きる力],[話せることで得られる...
Saved in:
Published in | 桐生大学紀要 Vol. 31; pp. 99 - 107 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
桐丘学園 桐生大学・桐生大学短期大学部
2020
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | [目的]ピアサポートを促進するために必要な課題を明確化するため,ピアサポートを受けたがん患者の思いを明らかにする.[方法]1985年~2018年の医学中央雑誌Web版(Ver5)を用いて,腫瘍にピアグループ,ピアサポート,感情,共感,患者心理,語り等をキーワードに検索し研究目的に沿った15件を対象とした.研究論文数,研究方法などについては記述統計量を算出した.思いの内容は質的帰納的に分析した.[結果]対象となった15論文から,記録単位63単位,コード36,各コードの意味内容を類似性に基づき分類した結果,14サブカテゴリー,7つのカテゴリー[ピアからもらうがんと生きる力],[話せることで得られる安心],[自分だけじゃないという安心],[治療後のイメージができ今後への安堵感],[がんと共に生きる新たな考え]」,[ピアとの日常から得る癒し],[ピアに抱く葛藤]が抽出された.[考察][がんと共に生きる新たな考え],[ピアとの日常から得る癒し]では,がん患者がピアと出会い変わらぬ日常を感じる中でがんと共に生きていく第一歩として,自分の考え方の変化に気づいていけるよう支援することが必要であると考える.また,[ピアに抱く葛藤]では,医療者は,目的に合ったピアサポート選びと参加後の影響を把握することによって,がん患者にとって効果的な支援となるような介入が必要であると考える. |
---|---|
ISSN: | 2186-4748 2435-7049 |
DOI: | 10.34506/bku.31.0_99 |