タイ国におけるブタ胸膜肺炎由来Actinobacillus pleuropneumoniaeの薬剤耐性プラスミド

タイ国でブタ肺炎病巣より分離されたActinobacillus pleuropneumoniaeに, ストレプトマイシン, サルファ剤およびテトラサイクリンに対する耐性が認められた. Actinobacillus pleuropneumoniaeTA5株は二個のプラスミドDNA (pTA51=3.7Kb, pTA52=6.2Kb) を保有しており, 形質転換の結果からプラスミド (pTA52) は, ストレプトマイシンとサルファ剤耐性をコードしていた. 一方, Actinobaoillus pleuropneumoniaeTA8株も二個のプラスミドDNA (pTA81=3.7Kb, pTA82...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 66; no. 9; pp. 1243 - 1247
Main Authors 木内, 明男, 原, 元宣, 田淵, 清
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 1992
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Summary:タイ国でブタ肺炎病巣より分離されたActinobacillus pleuropneumoniaeに, ストレプトマイシン, サルファ剤およびテトラサイクリンに対する耐性が認められた. Actinobacillus pleuropneumoniaeTA5株は二個のプラスミドDNA (pTA51=3.7Kb, pTA52=6.2Kb) を保有しており, 形質転換の結果からプラスミド (pTA52) は, ストレプトマイシンとサルファ剤耐性をコードしていた. 一方, Actinobaoillus pleuropneumoniaeTA8株も二個のプラスミドDNA (pTA81=3.7Kb, pTA82=4.4Kb) があり, プラスミド (pTA82) がストレプトマイシンとサルファ剤耐性に関与していた.四個のプラスミドは非伝達性で, いずれも小型であった. 制限酵素による消化パターンからpTA52とpTA82は一部共通したDNA断片があることが明らかになった. 家畜が薬剤耐性菌のヒトのリザーノミーとなっており, 注目する必要があると思われる.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.66.1243