レミチェックQ®を使用したインフリキシマブ血中濃度測定の臨床的意義
【目的】レミチェックQ®はインフリキシマブ(IFX)血中濃度を1.0μg/mL以上か未満であるか定性的に調べることができるキットである.関節リウマチ(RA)でIFXを投与している患者群でレミチェックQ®を使用しIFXの血中濃度を推定し,実臨床におけるIFX血中濃度と疾患活動性の関連について検討を行った.【対象・方法】2017年10月から2018年4月の期間で,新潟県立リウマチセンター通院中のRA患者でIFXを投与されレミチェックQ®の検査を施行された57例を対象とした.検査施行時の患者背景,疾患活動性,IFX投与量等を横断的に解析した.【結果】レミチェックQ®陽性群が44例(77%)であった....
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Published in | 臨床リウマチ Vol. 32; no. 1; pp. 13 - 20 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
2020
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Subjects | |
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ISSN | 0914-8760 2189-0595 |
DOI | 10.14961/cra.32.13 |
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Summary: | 【目的】レミチェックQ®はインフリキシマブ(IFX)血中濃度を1.0μg/mL以上か未満であるか定性的に調べることができるキットである.関節リウマチ(RA)でIFXを投与している患者群でレミチェックQ®を使用しIFXの血中濃度を推定し,実臨床におけるIFX血中濃度と疾患活動性の関連について検討を行った.【対象・方法】2017年10月から2018年4月の期間で,新潟県立リウマチセンター通院中のRA患者でIFXを投与されレミチェックQ®の検査を施行された57例を対象とした.検査施行時の患者背景,疾患活動性,IFX投与量等を横断的に解析した.【結果】レミチェックQ®陽性群が44例(77%)であった.陰性群では陽性群と比較しIFX投与量は有意に少なかった(6.8±2.6mg/kg vs. 5.1±2.4mg/kg, p=0.032).DAS28-ESR(2.67±1.13 vs. 2.48±0.44, p=0.775)では有意差はなかったがCDAI(6.6±6.5 vs. 3.1±2.7, p=0.049),SDAI(6.9±6.8 vs. 3.2±2.7, p=0.048)は陰性群で有意に低かった.陰性の13例では全例でDAS28-CRPで寛解を達成し5例でBoolean寛解も達成していた.【結論】レミチェックQ®陰性群では陽性群と比較し疾患活動性が良好な症例が集積していた.これは,レミチェックQ®陰性群に,TNF製剤への反応性が良い症例が多く存在していた可能性が一因として考えられる.今後は,IFX開始早期に治療効果不十分な症例でレミチェックQ®を測定しその有用性を検討する必要がある. |
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ISSN: | 0914-8760 2189-0595 |
DOI: | 10.14961/cra.32.13 |