地域連携パスの分析による新たな連携の構築 連携パスのPDCAサイクル

「はじめに」地域連携クリニカルパス(以下, 連携パス)は大腿骨頸部骨折(以下, 頸部骨折)で診療報酬が算定されたのを機に急速に普及した. 頸部骨折は高齢者が転倒などの軽微な外傷で発生し, 全身状態が許せば手術治療が行われることが多い. 手術が施行され, 重篤な合併症なくリハビリテーションを中心とした治療に移っても, 自宅あるいは施設等に戻るまでは長期にわたる. 青森市医療圏においては, 頸部骨折治療における病院の機能分担を明確にし, 効率よく治療を行い, 治療成績を向上させることを目的に2006年5月に連携パスを立ち上げ運用を開始した. 連携パスもきちんとアウトカム管理を行わなければ体のいい「...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本クリニカルパス学会誌 Vol. 18; no. 1; pp. 62 - 66
Main Author 伊藤, 淳二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本クリニカルパス学会 15.03.2016
日本クリニカルパス学会
Online AccessGet full text
ISSN2187-6592
2436-1046
DOI10.50842/jjscp.18.1_62

Cover

More Information
Summary:「はじめに」地域連携クリニカルパス(以下, 連携パス)は大腿骨頸部骨折(以下, 頸部骨折)で診療報酬が算定されたのを機に急速に普及した. 頸部骨折は高齢者が転倒などの軽微な外傷で発生し, 全身状態が許せば手術治療が行われることが多い. 手術が施行され, 重篤な合併症なくリハビリテーションを中心とした治療に移っても, 自宅あるいは施設等に戻るまでは長期にわたる. 青森市医療圏においては, 頸部骨折治療における病院の機能分担を明確にし, 効率よく治療を行い, 治療成績を向上させることを目的に2006年5月に連携パスを立ち上げ運用を開始した. 連携パスもきちんとアウトカム管理を行わなければ体のいい「追い出しパス」になり, 医療者にも患者さんにとってもよい結果をもたらさない. 連携パスを立ち上げたもののうまく運用されていない地域もみられている. 連携パスもきちんとアウトカム管理を行い, 結果を分析しPDCAサイクルをまわして連携パスを進化させていくことが求められる.
ISSN:2187-6592
2436-1046
DOI:10.50842/jjscp.18.1_62