女性持久性競技者の基礎代謝量

スポーツ選手の基礎代謝量(Basal Metabolic Rate:BMR)は, 1日当たり, 体重(BM)当たり, 除脂肪体重(lean body mass:LBM)当たりのいずれにおいても運動習慣のない者と比較して高いことが報告されている1, 2). 我が国では長嶺3)が, 競技者のBMR(kcal/日)は, 日本人の栄養所要量に示されている基礎代謝基準値の約5%増しとして推定するのが妥当であるとしている. しかし, 競技者における基礎代謝のデータはほとんどが男性競技者を対象としたものであり, 女性競技者を対象とした研究は極めて少ない4~6). スポーツ選手の場合, トレーニング方法や期間...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 59; no. 3; pp. 127 - 134
Main Authors 田口素子, 樋口満, 岡純, 吉賀千恵, 石田良恵, 松下雅雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養改善学会 2001
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ISSN0021-5147

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Summary:スポーツ選手の基礎代謝量(Basal Metabolic Rate:BMR)は, 1日当たり, 体重(BM)当たり, 除脂肪体重(lean body mass:LBM)当たりのいずれにおいても運動習慣のない者と比較して高いことが報告されている1, 2). 我が国では長嶺3)が, 競技者のBMR(kcal/日)は, 日本人の栄養所要量に示されている基礎代謝基準値の約5%増しとして推定するのが妥当であるとしている. しかし, 競技者における基礎代謝のデータはほとんどが男性競技者を対象としたものであり, 女性競技者を対象とした研究は極めて少ない4~6). スポーツ選手の場合, トレーニング方法や期間等により, その種目に適した体格及び体型に大きく影響を及ぼす身体組成に変化が生ずる. 特に持久性トレーニングが身体組成に及ぼす影響として, 体脂肪率が低く, LBMの割合が大きくなることが一般的に知られている. Thompson7)は, 非運動者と競技者では身体組成やエネルギー消費量が大きく異なるため, 体重, LBM, 栄養状態などの因子の変化により, BMRに及ぼす影響の程度が異なることを指摘している.
ISSN:0021-5147