肝疾患の掻痒に対するAluminum hydroxide療法

中等度以下の掻痒を伴う肝疾患8例に,1日4~20gの水酸化アルミニウム(Aluminum hydroxide)を1~3週間にわたり経口投与して,掻痒に対する治療効果を検討した.水酸化アルミニウム療法により8例中5例に掻痒の改善が認められた.薬剤の投与量,投与期間と治療効果は必ずしも平行しなかった.治療前後で血清胆汁酸の有意の低下は得られなかったが,水酸化アルミニウムの経口投与は, セルレイン負荷30分後の血清胆汁酸の上昇を抑制した.水酸化アルミニウムの肝性掻痒に対する作用機序は,水酸化アルミニウムと胆汁酸の吸着により,胆汁酸の吸収を抑制することが示唆された....

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Published in肝臓 Vol. 20; no. 11; pp. 1174 - 1179
Main Authors 川崎, 寛中, 山西, 康仁, 加藤, 誠一, 野坂, 康雄, 周防, 武昭, 村脇, 義和, 乗本, 道子, 平山, 千里, 涌島, 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1979
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.20.1174

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Summary:中等度以下の掻痒を伴う肝疾患8例に,1日4~20gの水酸化アルミニウム(Aluminum hydroxide)を1~3週間にわたり経口投与して,掻痒に対する治療効果を検討した.水酸化アルミニウム療法により8例中5例に掻痒の改善が認められた.薬剤の投与量,投与期間と治療効果は必ずしも平行しなかった.治療前後で血清胆汁酸の有意の低下は得られなかったが,水酸化アルミニウムの経口投与は, セルレイン負荷30分後の血清胆汁酸の上昇を抑制した.水酸化アルミニウムの肝性掻痒に対する作用機序は,水酸化アルミニウムと胆汁酸の吸着により,胆汁酸の吸収を抑制することが示唆された.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.20.1174