看護退院サマリーの他施設への送付の実態と問題について A県の実態調査より

本研究は,医療施設における看護退院サマリー(以下サマリー)による他施設への情報提供の実態,サマリー記載時の意識調査から,看護師が患者情報を他施設へ提供する時にどのようにプライバシーへの配慮をしているか明らかにし,今後の情報提供のあり方の検討をすることを目的とした。結果,看護管理者52名,病棟看護師995名から質問紙の回答が得られた。個人情報取扱いに関する掲示を行っている病院は88.5%だった。サマリーに含まれている18項目を提示し,サマリーに記載する情報の詳細さとプライバシーへの配慮の必要性について4段階で回答を求めたところ,記載する情報の詳細さとプライバシーへの配慮には,全ての項目間に有意な...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 34; no. 1; pp. 1_137 - 1_147
Main Authors 太田, 勝正, 守田, 恵理子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.04.2011
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20100824010

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Summary:本研究は,医療施設における看護退院サマリー(以下サマリー)による他施設への情報提供の実態,サマリー記載時の意識調査から,看護師が患者情報を他施設へ提供する時にどのようにプライバシーへの配慮をしているか明らかにし,今後の情報提供のあり方の検討をすることを目的とした。結果,看護管理者52名,病棟看護師995名から質問紙の回答が得られた。個人情報取扱いに関する掲示を行っている病院は88.5%だった。サマリーに含まれている18項目を提示し,サマリーに記載する情報の詳細さとプライバシーへの配慮の必要性について4段階で回答を求めたところ,記載する情報の詳細さとプライバシーへの配慮には,全ての項目間に有意な正の弱い相関が認められた。サマリー送付時に,「サマリーを提示している」と回答したものは8.1%で,「同意を得ている」と回答したものは17.6%だった。今後サマリー送付時の内容の提示,同意の取得について検討の必要がある。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20100824010