小児白血病・リンパ腫多施設共同研究の今後の方向性

わが国では, 1970年代から小児白血病リンパ腫の多施設共同治療研究グループが結成され, 治療成績の向上に貢献してきた.しかしながら, 白血病治療研究に関して臨床試験としての認識が薄くガイドライン治療と混同されており, 臨床試験に必要な科学性と倫理性が十分であったとは言い難い.今回, 小児造血器腫瘍に対して根拠に基づいた医療を推進するための研究基盤整備と大規模臨床試験を実施するために新たな研究事業が開始された.これによりグループ間共同研究を質の高い臨床試験にするために必要な具体的な指針の作成と体制整備が図られる.本学会には, 個々の臨床試験のみならず, 研究活動全体を客観的に評価・指導すること...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 17; no. 6; pp. 508 - 511
Main Author 堀部, 敬三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 31.12.2003
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.17.508

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Summary:わが国では, 1970年代から小児白血病リンパ腫の多施設共同治療研究グループが結成され, 治療成績の向上に貢献してきた.しかしながら, 白血病治療研究に関して臨床試験としての認識が薄くガイドライン治療と混同されており, 臨床試験に必要な科学性と倫理性が十分であったとは言い難い.今回, 小児造血器腫瘍に対して根拠に基づいた医療を推進するための研究基盤整備と大規模臨床試験を実施するために新たな研究事業が開始された.これによりグループ間共同研究を質の高い臨床試験にするために必要な具体的な指針の作成と体制整備が図られる.本学会には, 個々の臨床試験のみならず, 研究活動全体を客観的に評価・指導することで, わが国の小児血液学分野において質の高い臨床研究を育成・支援する役割が期待される.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.17.508