Infliximab投与後の内視鏡的治癒過程を観察しえた潰瘍性大腸炎の2例

Infliximab(IFX)導入後に臨床的寛解が得られた潰瘍性大腸炎(UC)の2症例においてIFX初回投与後およびIFX3回投与後(0,2,6週での寛解導入後)の大腸内視鏡所見を経時的に追跡し,内視鏡所見がその後の臨床経過に及ぼす影響を観察した.2症例ともにTacrolimus抵抗性の中等症~重症UCであり,IFX初回投与後に臨床的かつ内視鏡的寛解が確認されたが,症例2では8週目の内視鏡検査で直腸からS状結腸の一部に微細顆粒状変化を認めた.症例1では82週間,症例2では36週間にわたって臨床的寛解が維持されており,IFX投与後の内視鏡的炎症の改善は長期予後の予測に有用であった.さらに2週目時...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 66; no. 4; pp. 234 - 240
Main Authors 藤田, 朋紀, 佐々木, 一晃, 下立, 雄一, 勝木, 伸一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2013
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.66.234

Cover

More Information
Summary:Infliximab(IFX)導入後に臨床的寛解が得られた潰瘍性大腸炎(UC)の2症例においてIFX初回投与後およびIFX3回投与後(0,2,6週での寛解導入後)の大腸内視鏡所見を経時的に追跡し,内視鏡所見がその後の臨床経過に及ぼす影響を観察した.2症例ともにTacrolimus抵抗性の中等症~重症UCであり,IFX初回投与後に臨床的かつ内視鏡的寛解が確認されたが,症例2では8週目の内視鏡検査で直腸からS状結腸の一部に微細顆粒状変化を認めた.症例1では82週間,症例2では36週間にわたって臨床的寛解が維持されており,IFX投与後の内視鏡的炎症の改善は長期予後の予測に有用であった.さらに2週目時点で臨床的寛解が得られた場合には,内視鏡的な炎症評価なく長期予後を推測できる可能性が示唆された.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.66.234