耳鳴ピッチ・マッチ検査成績の長期再現性に関する検討

耳鳴の音色の純音・雑音性に関する直接的自覚的表現と自覚的ピッチ感が6ヵ月以上の長期間不変であった, 聴力の固定した内耳性難聴に伴う耳鳴症例43例57耳鳴耳を対象として, 3回の検査の耳鳴自発的擬声語, ピッチ・マッチ検査成績を比較検討し, その長期再現性につき分析を行って以下の結果を得た。 1) いずれの2回の検査の組み合わせでも自発的擬声語の一致率は87%以上であった。 2) いずれの2回の検査の組み合わせでも耳鳴同定音の一致率は90%以上であった。 3) いずれの2回の検査の組み合わせでも耳鳴周波数の一致率は, 自発的擬声語, 耳鳴同定音のそれと比較し, やや低下していた。 しかし耳鳴周波...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 36; no. 3; pp. 209 - 216
Main Authors 井上, 泰宏, 大内, 利昭, 鄭, 雅麗, 小形, 章, 増野, 博康, 佐藤, 靖夫, 吉原, 重光, 神崎, 仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 1993
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.36.209

Cover

More Information
Summary:耳鳴の音色の純音・雑音性に関する直接的自覚的表現と自覚的ピッチ感が6ヵ月以上の長期間不変であった, 聴力の固定した内耳性難聴に伴う耳鳴症例43例57耳鳴耳を対象として, 3回の検査の耳鳴自発的擬声語, ピッチ・マッチ検査成績を比較検討し, その長期再現性につき分析を行って以下の結果を得た。 1) いずれの2回の検査の組み合わせでも自発的擬声語の一致率は87%以上であった。 2) いずれの2回の検査の組み合わせでも耳鳴同定音の一致率は90%以上であった。 3) いずれの2回の検査の組み合わせでも耳鳴周波数の一致率は, 自発的擬声語, 耳鳴同定音のそれと比較し, やや低下していた。 しかし耳鳴周波数不一致例における2回の検査の耳鳴周波数のずれは全て1オクターブ以内であった。 4) 以上の検討結果より, 自発的擬声語及び耳鳴同定音の長期再現性は良好であるが, 耳鳴周波数はその20-30%で1オクターブ以内の変動を示し得ると結論した。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.36.209