内頸動脈走行異常18症例の臨床的検討 および診断におけるMR-Angiographyの有用性について

内頸動脈の走行異常を認める18例を経験した. このうち15例が女性であった. 左右差は認めなかった. 診断時の平均年齢は68歳であり, 10例に高血圧の既往を認めた. 確定診断を得るために13例にMR Angiogra-phy (MRA) を施行した. その結果13例全例において内頸動脈を明瞭に描出ことができた. 本症診断には過去において主に血管造影が施行されているが, 血管造影には様々な合併症や死亡例が報告されている. 本症は高齢者に多く合併症が起こった場合に重症化しやすいと推測され, 侵襲の少ない検査がより望ましいと考えられる. MRAは全く無侵襲な検査であり, 今後本症診断のためにはMR...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 98; no. 9; pp. 1367 - 1372,1497
Main Authors 太田, 正治, 菊池, 康隆, 千葉, 伸太郎, 富谷, 義徳, 森山, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.1995
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.98.1367

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Summary:内頸動脈の走行異常を認める18例を経験した. このうち15例が女性であった. 左右差は認めなかった. 診断時の平均年齢は68歳であり, 10例に高血圧の既往を認めた. 確定診断を得るために13例にMR Angiogra-phy (MRA) を施行した. その結果13例全例において内頸動脈を明瞭に描出ことができた. 本症診断には過去において主に血管造影が施行されているが, 血管造影には様々な合併症や死亡例が報告されている. 本症は高齢者に多く合併症が起こった場合に重症化しやすいと推測され, 侵襲の少ない検査がより望ましいと考えられる. MRAは全く無侵襲な検査であり, 今後本症診断のためにはMRAを第一選択とすべきであると我々は考える.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.98.1367