6年間経過観察しえた脳アミロイド血管症の1例―可逆性の大脳白質病変の随伴について

症例は右ききの59歳女性である.53歳時,約1年前からの頭痛に対し撮影した頭部MRIにて,両側頭頂後頭葉白質にT2強調画像で高信号を呈する病変がみられた.合併する関節リウマチを考慮し,一時的にプレドニゾロンを内服したが,白質病変は増大し皮質下白質におよび,T2*強調画像で左後頭葉皮質および皮質下白質の微小出血をみとめた.原因検索のために右後頭葉から脳生検をおこない脳アミロイド血管症と診断した.自然経過で経過観察したところ,脳生検から約5カ月後の頭部MRIでは白質病変は縮小したが,微小出血は増加した.可逆性の大脳白質病変を呈する病態として脳アミロイド血管症を考慮する必要がある....

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Published in臨床神経学 Vol. 52; no. 2; pp. 90 - 95
Main Authors 細井, 泰志, 内山, 剛, 吉田, 眞理, 武地, 大維, 清水, 貴子, 大橋, 寿彦, 大月, 寛郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2012
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Summary:症例は右ききの59歳女性である.53歳時,約1年前からの頭痛に対し撮影した頭部MRIにて,両側頭頂後頭葉白質にT2強調画像で高信号を呈する病変がみられた.合併する関節リウマチを考慮し,一時的にプレドニゾロンを内服したが,白質病変は増大し皮質下白質におよび,T2*強調画像で左後頭葉皮質および皮質下白質の微小出血をみとめた.原因検索のために右後頭葉から脳生検をおこない脳アミロイド血管症と診断した.自然経過で経過観察したところ,脳生検から約5カ月後の頭部MRIでは白質病変は縮小したが,微小出血は増加した.可逆性の大脳白質病変を呈する病態として脳アミロイド血管症を考慮する必要がある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.52.90