耳鼻咽喉科的域におけるCS-807の基礎的, 臨床的検討

• Published in: CHEMOTHERAPY Vol. 36; no. Supplement1; pp. 1056 - 1063
• Main Authors: 宮本, 直哉, 島田, 純一郎, 稲垣, 光昭, 本堂, 潤, 小林, 武弘, 高木, 一平, 木下, 治二, 森, 慶人, 丸尾, 猛, 伊藤, 晴夫, 馬場, 駿吉, 鈴木, 賢二, 富木, 博子, 河合, 窄, 征矢野, 薫
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1988
• ISSN: 0009-3165; 1884-5894
• DOI: 10.11250/chemotherapy1953.36.Supplement1_1056

新経口セフェム剤CS-807の耳鼻咽喉科感染症に対する有効性, 有用性を検討し, 以下の結果を得た。 1) 標準菌株に対する抗菌力は S. aureus FDA 209P 1.56μg/ml, S. aureus Teralima1.56μg/ml, P. mirabilis IFO3849 0.10μg/ml, E. coli NIHJ-JC2 0.78μg/mlであった。耳鼻咽喉科領域感染症由来臨床分離株に対する S. aureus 24株のMICピークは, 1.56μg/mL, P. aeruginosa 11株は100μg/m以上, P. mirabilis 23株は0.78μg/mlに位置していた。 2) CS-807 100mg空腹時経口投与後の口蓋扁桃移行, および上顎洞粘膜移行を測定した。口蓋扁桃移行は, 150～210分にて, 扁桃0.10～0.19μg/g, 血清中は0.67～1.31μg/mlであった。上顎洞粘膜の移行は1例のみの成績であり150分にて上顎洞粘膜0.28μg/g, 血清1.57μg/mlであった。 3) 総合臨床効果は, 著効18例, 有効24例, やや有効2例, 無効8例であり有効率は80.8%と高い値を示した。 4) 副作用は1例に軟便を認めた。臨床検査値異常は認めなかった。