学齢期の軽度, 軽中等度感音性難聴児における補聴器適合の検討
補聴器未装用の学齢期の軽度, 軽中等度感音性難聴児15例において, 補聴器適合の必要性を以下の分析により検討した。 1. 日常生活における聴性行動及び, コミュニケーション障害についての問診。 2. 語音聴取能の検査 (55dBSPLと自覚域値 (PTA: 4分法) 上40dB入力で)。 3. 子音の異聴傾向の分析。 4. WISC-R知能検査。 1-4のいずれかの検査結果が不良であった12例に補聴器を適合させた。 さらに補聴効果を調べるために, 55dBSPLにおける語音聴取能を検査したところ, 裸耳では平均48.5% (1SD=±21.4) であったのに対し, 補聴耳では79.9% (1S...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 41; no. 3; pp. 214 - 220 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
30.06.1998
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Subjects | |
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ISSN | 0303-8106 1883-7301 |
DOI | 10.4295/audiology.41.214 |
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Summary: | 補聴器未装用の学齢期の軽度, 軽中等度感音性難聴児15例において, 補聴器適合の必要性を以下の分析により検討した。 1. 日常生活における聴性行動及び, コミュニケーション障害についての問診。 2. 語音聴取能の検査 (55dBSPLと自覚域値 (PTA: 4分法) 上40dB入力で)。 3. 子音の異聴傾向の分析。 4. WISC-R知能検査。 1-4のいずれかの検査結果が不良であった12例に補聴器を適合させた。 さらに補聴効果を調べるために, 55dBSPLにおける語音聴取能を検査したところ, 裸耳では平均48.5% (1SD=±21.4) であったのに対し, 補聴耳では79.9% (1SD=±12.9) と改善した。 また, 補聴器を装用し1年以上経過した8例において, 装用前後で言語発達を評価し比較したところ, 毎日補聴器を装用していた症例では, 言語力が強化されていた。 以上より難聴が軽度, 軽中等度であっても, 症例ごとに補聴器の適応について十分検討し, 積極的に装用を考えるべきである。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.41.214 |