2型糖尿病患者における脈波伝播速度に影響する因子の検討
【背景/目的】2型糖尿病(T2DM)患者における動脈硬化の進行をba-PWVにより定義し,ba-PWVと体組成因子,筋力,患者特性との関係を明らかにすることを目的とした.【方法】T2DM患者128名を対象に動脈硬化指標,体組成,体格項目,血液検査データ,背景因子を評価した.統計解析はPearsonの積率相関係数,Spearmanの順位相関係数,重回帰分析,ロジスティック回帰分析,ANCOVAを実施した(p < 0.05).【結果】対象者は年齢63.12 ± 11.96歳,BMI25.58 ± 4.35kg/m2,ba-PWV1666.03 ± 368.19cm/s,SBP139.36 ±...
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Published in | 日本糖尿病理学療法学雑誌 Vol. 1; no. 1; pp. 89 - 102 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本糖尿病理学療法学会
2022
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Subjects | |
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Summary: | 【背景/目的】2型糖尿病(T2DM)患者における動脈硬化の進行をba-PWVにより定義し,ba-PWVと体組成因子,筋力,患者特性との関係を明らかにすることを目的とした.【方法】T2DM患者128名を対象に動脈硬化指標,体組成,体格項目,血液検査データ,背景因子を評価した.統計解析はPearsonの積率相関係数,Spearmanの順位相関係数,重回帰分析,ロジスティック回帰分析,ANCOVAを実施した(p < 0.05).【結果】対象者は年齢63.12 ± 11.96歳,BMI25.58 ± 4.35kg/m2,ba-PWV1666.03 ± 368.19cm/s,SBP139.36 ± 16.52mmHg,罹患年数11.25 ± 9.45年,HbA1c6.9 ± 0.72%だった.ba-PWVを従属変数とし,単変量解析での関連要因を従属変数とする年齢とSBPで調整したロジスティック回帰分析ではBMI(OR = 0.84,95% CI 0.726- 0.965,p < 0.001)が採択された.また,BMIのcut off値は26.28kg/m2(曲線下面積0.71,95% IC 0.60-0.82) だった.ANCOVAでは,BMIがba-PWVの有意な説明因子だった(p < 0.05).【考察】本研究はT2DM患者のBMIが動脈硬化の出現頻度に関連したことを明らかにし,そのうえでBMIのcut off値を提案した. |
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ISSN: | 2436-6544 |
DOI: | 10.51106/ptdm.1.1_89 |