理学療法の基本方針に応じた患者区分 Recovery phase の考案~心大血管疾患を対象とした検討

<背景>経験の異なる理学療法士間で患者ごとの目標と主たるプログラムを共有する区分(Recovery phase)を考案した.本報告は Recovery phase 別に臨床データを提示することで,理学療法における臨床成績の比較可能性を示すことを目的とした.<方法>当院で理学療法が処方された心大血管疾患患者 558 例を後方視的に調査した.Recovery Phaseは,離床基準を満たさない時期を Phase I,コンディショニングや離床が主体となる時期を Phase II,AOL トレーニングが主体となる時期を Phase III,全身持久力トレーニングが主体となる時期...

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Published in循環器理学療法学 Vol. 2; no. 1; pp. 23 - 33
Main Authors 畠山, 和利, 皆方, 伸, 大倉, 和貴, 須田, 智寛, 長谷川, 翔, 宮本, 大道, 坂本, 理々子, 菊池, 耀, 高橋, 裕介, 渡邉, 基起
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 般社団法⼈ 日本循環器理学療法学会 31.03.2023
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ISSN2758-0350
DOI10.69168/jcpt.2.1_23

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Summary:<背景>経験の異なる理学療法士間で患者ごとの目標と主たるプログラムを共有する区分(Recovery phase)を考案した.本報告は Recovery phase 別に臨床データを提示することで,理学療法における臨床成績の比較可能性を示すことを目的とした.<方法>当院で理学療法が処方された心大血管疾患患者 558 例を後方視的に調査した.Recovery Phaseは,離床基準を満たさない時期を Phase I,コンディショニングや離床が主体となる時期を Phase II,AOL トレーニングが主体となる時期を Phase III,全身持久力トレーニングが主体となる時期を Phase IV と定義し,週 l 回のミーティングで判定した.退院時の身体機能で Phase 間の多重比較を行った.<結果>筋力,歩行速度,バランス能力,生活動作能力,および運動耐容能はいずれも Phase が上がるにつれて有意に高値を示した.<結論>Recovery phase を用いることで身体機能に応じた区分ができ,理学療法内容や目標がある程度統一された集団を扱うことができた.
ISSN:2758-0350
DOI:10.69168/jcpt.2.1_23