鹿児島県で発生した日本紅斑熱の夫婦同時発症例

症例は夫65歳妻59歳2003年7月鹿児島県内のキャンプ場に1泊し, 10日後に発熱, その後頭痛, 紅斑が出現した. 15日後に夫婦共に森園病院内科に入院となった. 共に全身に紅斑を認めたが, 表在リンパ節を触知せず, 夫は右大腿部に, 妻は左大腿部に刺し口があり, 白血球数は正常範囲で, CRPは著明に上昇していた. リケッチア症を疑い, 直ちにMINO点滴静注にて治療を開始し, DICなどの重篤な状態に陥らずに軽快した. 夫婦共に, 日本紅斑熱リケッチアに対する抗体価の有意な上昇が認められ, 日本紅斑熱の夫婦同時発症例と診断した. 本症は, 同時に同地点で複数の感染が起こり得る疾患である...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 80; no. 4; pp. 432 - 435
Main Authors 本田, 俊郎, 久保園, 高明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 2006
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.80.432

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Summary:症例は夫65歳妻59歳2003年7月鹿児島県内のキャンプ場に1泊し, 10日後に発熱, その後頭痛, 紅斑が出現した. 15日後に夫婦共に森園病院内科に入院となった. 共に全身に紅斑を認めたが, 表在リンパ節を触知せず, 夫は右大腿部に, 妻は左大腿部に刺し口があり, 白血球数は正常範囲で, CRPは著明に上昇していた. リケッチア症を疑い, 直ちにMINO点滴静注にて治療を開始し, DICなどの重篤な状態に陥らずに軽快した. 夫婦共に, 日本紅斑熱リケッチアに対する抗体価の有意な上昇が認められ, 日本紅斑熱の夫婦同時発症例と診断した. 本症は, 同時に同地点で複数の感染が起こり得る疾患であることにも注意する必要がある.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.80.432