ディスコチックネマチック相の光重合により得られる高分子フィルムの秩序パラメータ

長鎖末端にアクリル基を有するトリフェニレン誘導体1を合成, そのディスコチックネマチック相における光重合の進行と, 系の秩序パラメータの変化を時間分解赤外スペクトルの測定によって調べた・秩序パラメータはVijらによる赤外吸収帯の2色性を配向に対して比較する方法によって, トリフェニレンおよび周辺に置換したカルボニル基について局所的秩序パラメータを見積もった. その結果, 分子中心のトリフェニレン部は光重合の進行とともに系の秩序パラメータは重合終了時まで減少するが, 特に, 光照射量にして約10mJcm-1に達した時点で全変化量の約70%に相当する大きな減少を示し, それ以後は漸次減少する傾向を...

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Published in高分子論文集 Vol. 59; no. 12; pp. 787 - 791
Main Authors 杉野, 卓司, 清水, 洋, 右近, 正克, 物部, 浩達, 渡邊, 毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2002
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.59.787

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Summary:長鎖末端にアクリル基を有するトリフェニレン誘導体1を合成, そのディスコチックネマチック相における光重合の進行と, 系の秩序パラメータの変化を時間分解赤外スペクトルの測定によって調べた・秩序パラメータはVijらによる赤外吸収帯の2色性を配向に対して比較する方法によって, トリフェニレンおよび周辺に置換したカルボニル基について局所的秩序パラメータを見積もった. その結果, 分子中心のトリフェニレン部は光重合の進行とともに系の秩序パラメータは重合終了時まで減少するが, 特に, 光照射量にして約10mJcm-1に達した時点で全変化量の約70%に相当する大きな減少を示し, それ以後は漸次減少する傾向を示すことがわかった. 光重合は約70%のアクリル基消費を超えて進行しないが, 秩序パラメータの減少を抑えるためには50%程度のアクリル基消費過程を制御することが重要であることが示された.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.59.787