導電性原子間力顕微鏡を用いたポリチオフェン細線の微小領域光導電性測定

導電性高分子であるポリー3ーヘキシルチオフェン (PHT) 希薄高分子溶液を加熱した固定電極基板上ヘキャストすることで規則的に配列した幅15~3μm, 厚さ約70nmの細線がパターン構造を作製した・導電性カンチレバーを超微小電極とした導電性原子間力顕微鏡を用いて1本の細線構造の導電性を測定した. 形状と電流分布を同時に測定した結果, ポリマー細線上にのみ電流が流れることが確認され, 固定電極からの距離と測定電流の関係より細線構造にはオ-ムの法則が成り立つことが示唆された. また, 光照射により測定電流が増加することからPHT細線の光導電性を測定することができた. キャストフィルムと比較して,...

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Published in高分子論文集 Vol. 59; no. 10; pp. 651 - 655
Main Authors 居城, 邦治, 下村, 政嗣, 澤田石, 哲郎, 橋本, 裕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2002
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.59.651

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Summary:導電性高分子であるポリー3ーヘキシルチオフェン (PHT) 希薄高分子溶液を加熱した固定電極基板上ヘキャストすることで規則的に配列した幅15~3μm, 厚さ約70nmの細線がパターン構造を作製した・導電性カンチレバーを超微小電極とした導電性原子間力顕微鏡を用いて1本の細線構造の導電性を測定した. 形状と電流分布を同時に測定した結果, ポリマー細線上にのみ電流が流れることが確認され, 固定電極からの距離と測定電流の関係より細線構造にはオ-ムの法則が成り立つことが示唆された. また, 光照射により測定電流が増加することからPHT細線の光導電性を測定することができた. キャストフィルムと比較して, 自己組織化により形成された細線構造は, 電気伝導度が向上した. 細線構造中の分子の配向が要因であることが示唆される.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.59.651