橋かけポリウレタンアイオネンの網目鎖濃度に及ぼすイオン結合の効果

アイオネンセグメントを導入した橋かけポリウレタンについて, 動的粘弾性, 小角X線散乱により相分離構造を検討し, 応力ーひずみ関係から求めた網目鎖濃度を共有結合, イオン結合の寄与に分離した. その結果, これらのポリウレタンはアイオネンをドメインとする相分離構造を持ち, 網目鎖濃度に及ぼすイオン結合の寄与の極めて大きいことが分かった. イオン濃度の増加とともに一次橋かけによる網目鎖濃度は減少する傾向を示し, 代わって二次橋かけによる寄与が増大し著しい補強効果を示すことが明らかとなった. 一次橋かけによる網目鎖濃度と相分離構造との間には明確な相関が認められ, ジハライドに1.6-ジブロモヘキサ...

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Published in高分子論文集 Vol. 44; no. 12; pp. 867 - 876
Main Authors 佐々木, 信義, 横山, 哲夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 1987
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.44.867

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Summary:アイオネンセグメントを導入した橋かけポリウレタンについて, 動的粘弾性, 小角X線散乱により相分離構造を検討し, 応力ーひずみ関係から求めた網目鎖濃度を共有結合, イオン結合の寄与に分離した. その結果, これらのポリウレタンはアイオネンをドメインとする相分離構造を持ち, 網目鎖濃度に及ぼすイオン結合の寄与の極めて大きいことが分かった. イオン濃度の増加とともに一次橋かけによる網目鎖濃度は減少する傾向を示し, 代わって二次橋かけによる寄与が増大し著しい補強効果を示すことが明らかとなった. 一次橋かけによる網目鎖濃度と相分離構造との間には明確な相関が認められ, ジハライドに1.6-ジブロモヘキサンを用いた試料では相分離の進行に伴い網目鎖濃度が減少し, p-キシリレンジクロリドを用いた試料では逆に増大する傾向を示した. これらの原因はドメインサイズが異なるためと解釈した.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.44.867